2001 Fiscal Year Annual Research Report
作物列センサを用いた自動うね合わせ制御システムの開発
Project/Area Number |
13760176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 博史 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (11102062)
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Keywords | 画像処理 / 作物列 / うね合わせ / 農用車両 / 作業機 / 自動化 |
Research Abstract |
本研究は,画像処理手法による作物列センサを用いて,農用車両の自動操舵や作業機の自動うね合わせを行うシステムを開発することである。このシステムでは,作物列センサ部において車両または作業機に対する作物列の横方向のオフセット値(ズレ幅)を求め,うね追従制御部においてこのズレ幅が小さくなるような制御を行って作物列に追従させる。 平成13年度は,作物列センサ部の開発を行った。このセンサは画像処理手法を用いたものであり,カラーCCDビデオカメラで撮影した作物列映像をコンピュータに取り込み,そのデジタル画像上で作物列線を検出することによりカメラに対する作物列位置を得る。 カメラは作物列方向(進行方向)に対して斜め下向きに設置されている。このセンサでは画像中の中央2列の作物列を認識し,最小二乗法による回帰直線を得る。しかし,撮影された画像では遠景が小さく近景が大きく写ることになり,中央2列の作物列線はハの字形となり,列の太さは近くでは太く,遠方になるほど細くなる。このような画像から直接,作物列線の検出を行うのは困難であるため,本研究では,撮影画像に対して射影変換を適用し,地上座標系画像を生成した。地上座標系とは作物列を上空から真下に見たときの座標系に相当する。地上座標系画像においては,中央2列の作物列線はほぼ並行となるため,列検出が容易となった。 カメラに対する作物列線のズレ幅を求める場合,横方向については高い精度が要求されるが,一方で縦方向(進行方向)についてはそれほど高い精度は必要ない。そこで,画像解像度の縦方向にのみデータ圧縮することにより,検出精度をほとんど低下させることなく,演算データ量を大幅に削減でき,高速検出を実現した。 大学附属農場において撮影された作物列映像を対象として,検出性能を検証した結果,実用的な検出精度および検出速度が得られた。
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