2001 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析による牛枝肉格付システムの構築と得られた画像解析形質の遺伝的解析
Project/Area Number |
13760191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
口田 圭吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (50271747)
|
Keywords | 画像解析 / 和牛 / ロース芯形状 / 遺伝的パラメータ / かみあぶら |
Research Abstract |
枝肉単価に関与するとされるロース芯上部に窪みのある形状(ハート芯)およびロース芯に接した大きな脂肪交雑(かみあぶら)など、従来評価されなかった肉質形質について、画像解析による評価法を検討し、それらに対する種雄牛の影響を調査した。 黒毛和種間接検定材料牛237頭(種雄牛32頭)について、枝肉横断面のデジタル画像を、専用の撮影装置を用い採取した。得られた画像すべてに対してロース芯の輪郭線を描画した。ハート芯の形状については、ロース芯上部の凸部分を結んだ線を絶対最大長とし、窪みの底から絶対最大長におろした垂線の長さ(深さ)およびその領域の面積などを計測した。かみあぶらについては、その面積、ロース芯輪郭線との接触面の長さなどを計測した。ハート芯、かみあぶらの程度を肉眼により4段階に評価した。両形質について、画像解析により算出された数値をもとに重回帰式を求め、肉眼による判定値と画像解析による推定値とを比較した。また、種雄牛ごとの出現頻度を求め、さらにGIBBSF90により遺伝的パラメータを推定した。 ハート芯およびかみあぶらを判定するための重回帰式のR^2値はそれぞれ、0.83、0.86であり、画像解析による判定が肉眼によるそれと符合した。ハート芯、かみあぶらともに種雄牛によって、その出現頻度に差が認められた。ハート芯については、ある特定の種雄牛からの産子6頭すべてにハート芯の存在が確認された。ハート芯の程度、存在の有無の遺伝率は、0.35、0.18と推定された。かみあぶらの程度、存在の有無の遺伝率は、0.36、0.18と推定された。かみあぶらの有無とBMSナンバーとの遺伝相関は、0.40であり、改良を進めていく上で好ましくない結果が推定された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 口田圭吾, 藤田暁子, 鈴木三義, 三好俊三: "格付員により評価されたBMSナンバーと季節との関連性に対する画像解析による検証"日本畜産学会報. 72・7. J6-J12 (2001)
-
[Publications] 口田圭吾, 浜崎陽子, 加藤浩二, 鈴木三義, 三好俊三: "黒毛和種の枝肉形質ならびにロース芯断面に対する画像解析形質に関する遺伝的ラメータの推定"北海道畜産学会報. 43. 69-73 (2001)
-
[Publications] 口田圭吾, 鈴木三義, 三好俊三: "枝肉横断面撮影装置の開発と得られた画像を利用したBMSナンバーの推定"日本畜産学会報. 72・8. J224-J231 (2001)
-
[Publications] 口田圭吾, 長谷川未央, 鈴木三義, 三好俊三: "枝肉横断面撮影装置で撮影されたデジタル画像を利用したBCSナンバーの判定"日本畜産学会報. 72・9. J321-J328 (2001)
-
[Publications] 口田圭吾: "牛脂肪交雑基準(BMS)のコンピュータ画像解析による自動判定について"畜産の研究. 55・8. 851-855 (2001)
-
[Publications] 口田圭吾, 鈴木三義, 三好俊三: "画像解析による牛胸最長筋内脂肪交雑粒子のあらさに関する評価法の検討"日本畜産学会報. 73・1. 9-18 (2002)