2001 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンによる脳下垂体の成長ホルモン分泌抑制の分子機構
Project/Area Number |
13760194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
盧 尚建 信州大学, 農学部, 助手 (90322130)
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Keywords | レプチン / 成長ホルモン |
Research Abstract |
本研究は脳下垂体におけるレプチンの成長ホルモン分泌抑制に対する分子生物学的解析を行うことを目的としている。脳下垂体のGH細胞を分離、初代培養を施行し、以下の実験に供する。培養細胞に一定の時間と間隔でレプチンの投与後、total RNAを抽出、GHRHとグレリン受容体mRNAレベルを測定した。 レプチンをヒツジの脳下垂体に短期間(1時間)投与した時には成長ホルモンとGHRHによる成長ホルモン分泌に影響がなかった。長時間(24時間)投与すると10^<-7>M GHRHによる成長ホルモン分泌を抑制した。次の実験として、レプチンによる脳下垂体での直接的な作用、特にGH分泌を刺激するGH放出因子受容体とグレリン受容体のmRNAレベルとの関連をしらべた。レプチンを24、48、72時間投与すると、GHやGH放出因子受容体のmRNAレベルが用量依存的に減少した。しかし、グレリン受容体は24と48時間投与した時には変化がなかったが、72時間投与すると有意に増加した。さらに、レプチンを3日間投与するとGHRHによるGH分泌能は減少したが、GHRP-2によるGH分泌能はやや増加した。しかし、GHRHとGHRP-2を同時に投与した時にはレプチンによるGH分泌能には変化がなかった。 これらの結果から、レプチンは成長ホルモン分泌やGH放出因子受容体とグレリン受容体の合成に影響し、下垂体のGH細胞に対して直接に作用することが証明された。さらに、GHRP-2は、レプチンによるGHRHの成長ホルモン分泌の抑制効果を改善することが確認された。
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