2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化に関与するウシWntファミリー分子の単離および解析
Project/Area Number |
13760197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河内 浩行 京都大学, 農学研究科, 助手 (00324666)
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Keywords | Wnt10b / ウシ / 脂肪細胞 / degenerate PCR / RACE / 脂肪前駆細胞 / 筋衛星細胞 / パラクリン因子 |
Research Abstract |
これまでにデーターベースに登録されているマウス、ヒューマンなど哺乳動物のWntファミリー分子のアミノ酸配列を比較しそれらの間でよく保存されている領域からdegenerateプライマーを作成した。このプライマーを基に、Wntファミリー分子の発現していることが予想されるウシの筋肉内脂肪組織中の脂肪前駆細胞あるいは筋肉組織より抽出したRNAを鋳型にしてRT-PCRを行った。得られたフラグメントの中から、既知のWnt遺伝子より予想されるサイズに合致するものをサブクローニングした。得られたクローンの塩基配列を決定し、ホモロジー検索を行ったところWnt10bの部分配列であることが確認できた。その配列を基に5'-RACE(rapid amplification of cDNA ends)、3'-RACEを行い全長配列の単離を試みた。3'-RACEは成功しC末端の配列は明らかにしたが、GCリッチな配列による翻訳開始位置周辺での高次構造形成のため逆転写がN末端までうまくできず、現在のところ全長塩基配列の決定までには至っていない。これまでに明らかにした285アミノ酸残基においては、マウスのWnt10bと82.1%、ヒューマンのWnt10bとは84.2%の相同性が見られた。またウシの筋肉組織および脂肪組織よりRNAを抽出し、RT-PCRを行ったところWnt10bは脂肪組織に比べ筋肉組織での発現が高く、Wnt10bが筋衛星細胞から脂肪前駆細胞の分化を抑制するパラクリン因子として作用している可能性が示唆された。
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