2001 Fiscal Year Annual Research Report
免疫不全マウスおよびサイトカイン遺伝子操作マウスの交感神経・再生能の評価
Project/Area Number |
13760209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河南 有希子 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (80264810)
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Keywords | SCID / IL-6 / Noradrenaline / Spleen / Tyrosine hydroxylase / NGF |
Research Abstract |
1)臓器ノルアドレナリン含量の定量 T・Bリンパ球欠損Severe combined immunodeficiency(SCID)マウスとそのコントロールマウス(C.B.17-+/+)、およびヒトIL-6 transgenic SCIDマウス(中外製薬)の脾臓および心臓を摘出し、液体窒素にて凍結、過塩素酸処理後、超音波破砕した。高速遠心後、上清中のノルアドレナリン量をHPLC法を用いて定量したところ、脾臓、心臓ともに3群間に有意差はみられなかった。 (2)交感神経支配の免疫組織学的検索 脾臓の凍結切片を作成し、1次抗体としてカテコールアミンの合成律速酵素であるTyrosine hydroxylase(TH)に対するポリクローナル抗体を用い、ABC法による免疫染色を行なった。光学顕微鏡下で200倍視野中のTH陽性神経繊維の面積を画像解析装置を用いて算出したところ、リンパ球領域では、コントロールマウスに比べてSCIDで有意なTH陽性線維の減少が見られた。SCIDとIL-6マウスで差は無かった。一方、血管周囲では、コントロールマウスに比べてSCIDで有意に多くのTH陽性神経線維が認められた。しかし、IL-6マウスでは、コントロールマウスとの差は無かった。 以上のことから、脾臓では免疫細胞とサイトカインが交感神経に対して局在的に異った調節作用を有することが示唆された。 (3)NGF発現の検出 現在、交感神経のNeurotrophinであるNerve growth factor(NGF)の脾臓における発現の違いについて免疫組織学的に検討中である。
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