2001 Fiscal Year Annual Research Report
ファージディスプレイ法を用いたネコ免疫不全ウイルスのレセプター群の解析
Project/Area Number |
13760220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮沢 孝幸 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80282705)
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Keywords | FIV / レセプター / CXCR4 / ファージディスプレイ / cDNAライブラリー / ネコ / 免疫不全 / 動物モデル |
Research Abstract |
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は、ネコに免疫不全を誘導し、獣医臨床上の大きな問題となっている。FIVとネコの系はヒトのエイズの動物モデルとしても重要である。本研究は抗体ファージディスプレイ法を応用した新しいアプローチで、FIVのレセプター(群)を同定・解析することを目的とする。本年度の研究成果は以下の通りである。 1)代表的なFIV分離株のうち、宿主域の異なるPetaluma株、TM2株およびKYO-1株の外被糖蛋白(Env SU)の発現プラスミドを作製し、アフリカミドリザルの腎由来のCOS-7細胞やネコの腎由来のAH927細胞にトランスフェクトし、Env蛋白の発現に成功した。2)FIVの感染を容易に検出できるように、FIVのシュードタイプアッセイ系を確立した。マウス白血病ウイルス(MuLV)のコアを発現するパッケージング細胞に、MuLVのプロモーターで発現が制御されるLacZやGFP(蛍光色素の一種)遺伝子の発現プラスミドをトランスフェクトし、安定形質転換細胞を得た。これに上記の3株のFIV分離株のEnv発現プラスミドをトランスフェクトして、FIVのEnv蛋白に包まれ、MuLVのコアを持つシュードタイプウイルス(感染するとLacZやGFPを発現する)を作製した。3)FIVのレセプターを発現するCRFK細胞やMYA-1細胞からmRNAを抽出後、cDNAを合成し、それをレトロウイルスベクター(pMX)に導入した。このpMXに導入したcDNAライブラリーを、Ecotropic-MuLVのパッケージング細胞であるPlat-E細胞にFugene6でトランスフェクトすることにより、CRFK細胞とMYA-1細胞由来のcDNAを発現するレトロウイルスライブラリーを作出した。来年度は、ファージディスプレイ法により抗体を得るとともに、このレトロウイルスライブラリーからのレセプター分子のクローニングを行う予定である。
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[Publications] Miyazawa T.: "Infections of feline leukemia virus and feline immunodeficiency virus"Frontiers in Bioscience. 7. D504-D518 (2002)
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[Publications] Phung H.T., Miyazawa, T., et al.: "Genetic analyses of feline foamy virus isolates from domestic and wild feline species in geographically distinct areas"Virus Research. 76. 171-181 (2001)
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[Publications] Hatama S., Miyazawa, T., et al.: "Reactivation of feline foamy virus from a chronically infected feline renal cell line by trichostatin A"Virology. 283. 315-323 (2001)