2001 Fiscal Year Annual Research Report
脱髄疾患モデルdmyラットにおける脱髄メカニズムの解明:オリゴデンドロサイト動態の追跡
Project/Area Number |
13760222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑村 充 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (20244668)
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Keywords | 脱髄 / 髄鞘崩壊 / ミエリン形成 / ミュータント / 動物モデル / オリゴデンドロサイト / 病態解析 / ラット |
Research Abstract |
形態計測:dmyラットのミエリン形成を検討する目的で、1〜8週齢のdmyラットおよび対照ラットの脊髄(胸髄)腹索白質の有髄神経線維の軸索径・周囲長、神経線維径・周囲長について形態計測を行い、ミエリン厚・ミエリン比・gratioを算出した。1,2週齢のdmyラットの軸索径およびミエリン径は、対照ラットと比較し有意に小さかった。さらに1週齢のdmyラットでは、ミエリン厚、ミエリン比、gratioについても対照ラットと比較し有意に小さかった。以上より、dmyラットの病変として、ミエリン成熟後のミエリン崩壊に加えて、ミエリン形成初期におけるミエリン形成遅延が示唆された。免疫組織化学:dmyラットの病変進行における細胞動態を検討する目的で、GFAP(アストロサイト)およびED1(マクロファージ)抗体を用いた二重免疫組織化学を行った。dmyラットの病巣に出現する腫大細胞質を持つ細胞は、両抗体に陰性でありオリゴデンドロサイトであることが示唆された。また、これらの細胞は電顕的に多数のミトコンドリアとゴルジ装置を有し、オリゴデンドロサイトの機能異常を示す所見と思われた。TUNEL法:8週齢のdmyラットのパラフィン切片についてTUNEL法を行ったところ、大脳、脊髄白質の空胞形成部に一致して多数のTUNEL陽性細胞が認められ、ミエリン崩壊の進行におけるオリゴデンドロサイトのアポトーシスの関与が示唆された。In situ hybridization法(ISH):オリゴデンドロサイトの動態を観察する目的で、DIGラベルしたPLP RNAプローブを用いたISHの予備検討を行い、オリゴデンドロサイトを検出する手技を確立した。現在、ISH用のサンプルを採材中であり、GFAP・ED1二重免疫組織化学法と合わせて、各細胞の動態を経時的に観察している。
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