2001 Fiscal Year Annual Research Report
Cytophaga―flavobacteria系統群における細菌多様性の解明
Project/Area Number |
13760231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Institute for Fermentation, Osaka |
Principal Investigator |
中川 恭好 財団法人 発酵研究所, 細菌研究室, 主任研究員 (70260172)
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Keywords | Cytophaga-flavobacteria-bacteroides系統群 / 16S rDNA / 系統分類 / 分子生態 / 生物多様性 / 遺伝子資源 / Flexibacter / Microscilla |
Research Abstract |
Cytophaga-flavobacteria系統群(cfb phylum)に属し、系統分類学的研究が十分に行われていないFlexibacter属17種(含む4亜種)40株、Microscilla属4種5株およびFlexithrix dorotheae 1株(合計46株)について16S rDNA塩基配列を決定した。その結果、Flexibacter及びMicroscilla属にはきわめて異質な菌株が含められており、属レベル以上で離れる24グループに分かれることが明らかとなった。Flexibacter属の基準種Flexibacter flexilisおよびMicroscilla属の基準種Microscilla marinaはそれぞれ系統的に独立していたことから、Flexibacter属およびMicroscilla属は基準種に限られ、他のグループはすべて異なる属に分類されるべきであると結論づけられた。 これまでに鹿児島県奄美大島、沖縄県石垣島。西表島より分離し、cfb phylumに属することを明らかにした70株について16S rDNA塩基配列を決定し系統解析を行った結果、分離株は19のグループに分かれ、そのほとんどが新規分類群を構成することが明らかとなった。したがってcfb phylumの多様性は未だほとんど解明されていないと考えられる。さらに、平成13年10月に沖縄県西表島。石垣島の海岸やマングローブ域より採集した海藻、海砂、落葉、土壌から、有色コロニーを形成する96株を分離した。分離株のなかで、海洋細菌は91株、寒天分解能を有する株は23株、spread colonyを形成する株は9株であった。これらの株の16S rRNA部分塩基配列の決定を行い、分析を終了した26株の中で11株がcfb phylumに属することが明らかとなった。
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