2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミジンコの形質転換系の開発と形態形成遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
13760237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
志賀 靖弘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (00277253)
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Keywords | ミジンコ / Daphnia / 生殖系列 / 形質転換 / Vasa / 形態形成 |
Research Abstract |
1)ミジンコVASAタンパク質の発現を指標とした生殖系列の分化時期および位置の同定 ミジンコVASAタンパク質に対する特異抗体を用いたミジンコ全胚に対する免疫染色法により、ミジンコ胚発生過程における生殖系列の分化時期および位置を細胞レベルで詳細に同定した。また全胚に対するin situ hybridizationによりvasa mRNAの局在を解析し、その局在がタンパク質の挙動と同様であることを確認した。 2)形質転換ベクターの構築 ミジンコのレトロトランスポゾン遺伝子のプロモーター領域の下流に、ミジンコのヘモグロビン遺伝子、クラゲのGreen Fluoprescent Protein(GFP)大腸菌のLacZ遺伝子等の選択マーカー遺伝子を連結した形質転換ベクターのシリーズを遺伝子工学的に構築した。また生殖系列特異的に発現することが予想されるvasa遺伝子のプロモーター領域をクローン化し、その全塩基配列を決定した。 3)ミジンコの形質転換系の確立 マイクロインジェクション法を用いて、ミジンコ卵内への形質転換ベクター導入を試みた。残念ながら、ミジンコ卵にDNA注入用の針を挿入すると同時に内圧により卵が破裂してしまうことから、この方法をそのまま導入することは不可能であった。しかしながら、親個体の背部から色素をインジェクションした場合、親個体に対するダメージは少なく、また注入された色素は血液中を拡散し生殖系列付近まで到達することを見いだした。現在この方法を用いて、インジェクションの条件検討を行っている段階である。
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