2001 Fiscal Year Annual Research Report
バイオビーズおよびプロトプラストを用いた植物形質転換法の開発
Project/Area Number |
13760238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
村川 智子 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (60280492)
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Keywords | バイオビーズ / プロトプラスト / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
バイオビーズおよびプロトプラストを用いた形質転換体の獲得には1)バイオビーズ(供与体DNA)のプロトプラスト(受容体細胞)への取り込み、2)受容体DNAでの組み換え、3)形質の発現、の3つの過程が必要である。 その中でも本年度は特に1)バイオビーズのプロトプラストへの取り込みについて検討を重ねた。これまでに、遺伝物質としてプラスミドを吸着させた約1〜2μmのバイオビーズの作製が可能となった。作製方法としては、有機溶媒とアルギン酸ナトリウムおよびプラスミド溶液を振とう攪拌機あるいは超音波式ホモジナイザーで激しく攪拌することにより、エマルジョン化し、その後、有機溶媒を除去することにより均一な大きさのバイオビーズを大量に作製することが可能となった。 また、プロトプラスト内へのバイオビーズの接触・導入については、細胞融合を行う際に広く用いられているポリエチレングリコール(PEG)溶液を使用した。その際、PEGの分子量、濃度、また処理時間等の操作方法についても検討を行った。その結果、40%PEG6000溶液で30分処理することにより、バイオビーズによる遺伝子発現を確認することができた。 尚、プロトプラスト材料としては、再分化系が確立しているタバコを用いた。 蛍光顕微鏡観察により、導入直後においてバイオビーズの接触・導入が可能であった系に関しては、更に細胞生育への影響について観察を行っている。現在のところ、生育は順調であり、プラスミドDNAを包摂したバイオビーズは、形質転換体の獲得に向けて非常に有望なベクターであることが示唆された。
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