2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜カベオラのクラスター形成機構とその機能分担の解析
Project/Area Number |
13770012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
野村 隆士 広島大学, 医学部, 助手 (20325161)
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Keywords | カベオラ / カベオリン / 心筋 |
Research Abstract |
今年度は,当初の研究計画に基づき,カベオラクラスター形成因子のクローニングとクラスター形成機構の解析について研究を遂行してきた.これは,クラスター形成陰性の細胞株と陽性細胞株とを比較する事で,クラスター形成因子のクローニングを試みることである.準備段階において,カベオラを持たない細胞株にカベオリン-1をtransientに発現させた系では,クラスター形成能が低いことが確認された.そこで,stableなクラスター陰性細胞株を樹立することを試みたが,残念なことにneomycin耐性細胞株の中で安定してカベオリン-1を発現する細胞株の樹立が困難であった.そこで,ストラテジーの方向性を転換し,クラスター形成能が非常に顕著な細胞と通常のクラスター形成能を有する細胞株との比較を行うことにし,まず,マウスの各種組織におけるカベオリンファミリーの発現を免疫組織学的にスクリーニングを行った.その結果,preliminarilyではあるが,心筋のT管と思われる構造がカベオリン-3陽性であることがわかりつつある.従来,横紋筋(骨格筋,心筋)におけるカベオリンの発現は,カベオリン-3が細胞膜上のカベオラに局在するとされてきたことから,今回の結果は新しいカベオリン-3の局在である可能性が考えられる.T管はカベオラが多数集合し,癒合することで形成されると考えられており,心筋はいわば,カベオラのクラスター形成能が非常に高い細胞であると言える.また,心筋細胞は組織であるため,培養細胞と異なり,大量のクラスター形成因子を生化学的に集めてくることが可能であることから,当初計画していたクラスター陰性,・陽性培養細胞株の比較より,強陽性心筋と通常陽性細胞株との比較の方が,材料として扱いやすい利点があると考えている.今後,免疫電顕法等により心筋におけるカベオリン-3の局在を確認する予定である.
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Research Products
(1 results)