2001 Fiscal Year Annual Research Report
血液脳関門における密着性結合(tight junction)再構築促進因子の検索
Project/Area Number |
13770046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中桶 了太 長崎大学, 医学部, 助手 (50325635)
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Keywords | 血液脳関門 / タイトジャンクション |
Research Abstract |
血液脳関門(blood-brain barrier : BBB)における密着性結合(tight junction)再構築促進因子の検索を行うため、第一にBBBの試験管内モデルの確立を行った。BBBは血管内皮細胞、血管周皮再細胞(ペリサイト)および星状膠細胞(アストロサイト)より構築されている。今回用いる試験管内モデルでは、血管内皮としてラットの脳血管内皮初代継代細胞を利用し、アストロサイトに初代継代細胞およびC6グリオーマ細胞、ペリサイトに脳から分離した初代継代の血管周皮細胞各種細胞を組み合わせたモデルを作成しBBB検討を行った。 初代継代血管内皮と初代継代ペリサイト、初代継代アストロサイトの3種類の細胞を同時に培養する試験管内BBBモデルを構築した。 この3種培養のモデルが、従来用いられている内皮細胞とアストロサイトの同時培養モデルよりも物質の移行性を制限していた。電気抵抗(TEER : trans endothelial electric resistance)も従来のモデルよりも有意に高く、3種培養モデルはBBBの再現性は高いと考えられた。また、ウエスタンブロットで物質の能動的排出メカニズムであるP糖蛋白質の発現が3種培養モデルで発現していることが示唆された。電子顕微鏡による検索では内皮細胞は培養開始後4日目でモノレイヤーを形成し細胞間にデスモゾームの構築が観察された。これらの結果より、3種類の細胞成分を用いて構築した試験管内モデルが、もっとも生体内で発現しているBBBに近い機能を持つと考えられた。 今後このモデルを用い、密着性結合が再構築する過程で発現が変化する遺伝子を同定する。この結果をもとにBBB密着性結合の再構築を促進する因子の検索を行う。
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