2001 Fiscal Year Annual Research Report
MASP1欠損マウスを用いたレクチン経路の解析と敗血症ショックの発症機構
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13770072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00285024)
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Keywords | 補体 / MASP / レクチン経路 / 自然免疫 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
A.LPSによるショック誘導実験 グラム陰性菌であるKlebsiella 03(LEN-1)由来のLPS(S型)を始めとした各種LPSの感受性試験を行った。本研究は東北大学大学院歯学研究科高田春比古博士の講座との共同研究として行った。これらLPSはレクチン経路の認識分子であるマンノース結合レクチン(MBL)に結合し、補体を活性化する。実際に補体を活性化する因子であるMASP-1を欠損したマウス(以下MASP1KO)でLPSによって肺や肝臓に血小板の集積が起き、ショック症状を誘発するかを調べたが、東北大学で繁殖しているC57BL6/Jで高い頻度でショックを起こすが、我々の講座で維持している同系統では同じ量のLPSに対して抵抗性を示した。このことは飼育環境がこの実験に影響を及ぼすことを意味しており、やはり同じ環境で繁殖したMASP1KOを用いる必要性を感じた。 B.マウスMASP-3の抗体の作製と解析 MASP-1遺伝子からは2つのMASP蛋白であるMASP-1とMASP-3が選択的スプライシングの結果、転写翻訳される。MASP1KOは両遺伝子に共通のエクソンを破壊しているためにMASP-1同様、MASP-3も欠損していると期待できる。私はマウス肝臓からmRNAを分離し、RT-PCRによってMASP-3 mRNAが転写されているか否かを検索した。その結果、MASP1KOにおいてN末側の重鎖領域は全く転写しておらず、またC末側の軽鎖(セリンプロテアーゼ)領域ではほとんど認められなかった。以上からMASP1KOはMASP3mRNAも発現していないと結論付けた。さらに計画通りにMASP-3の軽鎖を認識する抗体をウサギで作製し、マウス血清を用いてウエスタンブロットを試行したが、野生型でもMASP-3蛋白を検出するに至らなかった。血清中のMASP-3タンパク質はMASP-1に比して少ない可能性が疑われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sekine H, Kenjo A, Azumi K, Ohi G, Takahashi, M, et al.: "An ancient lectin-dependent complement system in an ascidian : novel lectin isolated from the plasma of the solitary ascidian, Halocynthia roretzi"Journal of Immunology. 167. 4504-4510 (2001)