2001 Fiscal Year Annual Research Report
Epstein-Barrウイルス関連悪性リンパ腫におけるEBV遺伝子変異と多様性
Project/Area Number |
13770081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大原 信哉 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90325100)
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Keywords | Epstein-Barrウイルス / 悪性リンパ腫 / EBV異電子変異 / EBNA-1 / LMP-1 / ホジキンリンパ腫 / 鼻NK / Tリンパ腫 |
Research Abstract |
1.検索症例とEBV陽性率 対象症例の選択のため,ホジキンリンパ腫,鼻NK/Tリンパ腫を中心に,移植後リンパ増殖性疾患(PTLD),その他疾患について,PCR検索により組織中のEBVの有無を検討した。EBV陽性率はホジキンリンパ腫(40例)の約8割(腫瘍細胞についてのISHによる検討では5割),鼻NK/Tリンパ腫(12例),PTLD(4例)では10割であった。 2.EBVの亜型と多様性 EBV陽性症例のPCRやシークエンスによる多様性の検索を行った.EBNA-2による型では9割以上がA型で,LMP-130bp欠損は約7割が有し,EBNA-1第487番アミノ酸による5型への分類ではV-val亜型が約9割であった。これらは日本人母集団の傾向を反映したものと考えられた。 3.EBNA-1亜型に関する遺伝子変異 EBNA-1 C端末約170個のアミノ酸分のゲノムを検討した結果,V-val型で5種,P-thrで2種,P-ala, V-leuで各1種類の配列がみられた。大多数を占めるV-val亜型の配列は,報告されたV-valの変異部位にコドン533,553,594内の変異が加わったものであった。 4.進行中の実験LMP-1 C端領域,LMP-2のCTL認識配列を含む領域について、遺伝子変異を検索している。 5.成果のまとめ これら結果については現在投稿準備中の段階である。この結果を一部含むホジキンリンパ腫とEBVについての和文総説を執筆し,PTLDの2症例については年度内の日本病理学会総会で発表予定である。
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