2001 Fiscal Year Annual Research Report
組織培養とFIZを用いたヒト動脈壁プロテアーゼ活性測定法による薬物治療効果の予測
Project/Area Number |
13770100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
塚 正彦 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00272956)
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Keywords | 動脈硬化 / 冠動脈プラーク / matrix metalloproteinases / gelatinases / 血栓 / plasmin / zymography |
Research Abstract |
本年度,研究代表者は金沢医科大学で平成13年度中に外科切除,冠動脈インターベンションあるいは病理解剖し採取されたヒト大動脈および冠動脈の粥腫性病変をマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinases:以下MMPs)活性化機構解明の対象とし,またコントロールとして新生児群,薬剤感受性の検定のためヒト冠動脈バイパスグラフトを実験材料に用いた.企業(富士写真フイルム株式会社)と共同開発で確立したfilm in situ zymography(以下FIZと略)について,動脈硬化の分子機構の基礎的研究かつ臨床応用に耐えうる感度と特異性の向上に成功した.1 免疫組織学的にMMPs産生細胞の分布と産生の程度について明らかにし,2 形態学的観察に用いたものと同様の新鮮材料の組織培養により得られた上清中のゼラチナーゼ活性に統計学的解析を加えた.その結果,MMPsおよびTIMPsの発現が動脈硬化性病変の初期あるいは進行期において多彩に認められた.ゼラチナーゼとされる2種類のMMPs(MMP-2,MMP-9)のうち特にMMP-9について,粥腫(プラーク)の脆弱性および破綻(acute coronary syndrome)の分子機構に血栓ができる際に亢進する線溶系酵素plasminによるMMP-9活性化機構が大きく寄与する場合があることが判明した.その成果については国内・国外の学会で発表され英語論文投稿中である.また,trapidilをはじめとして組織培養中に添加した薬剤のいくつかが血管組織のMMPs産生に対し抑制的に働く(P<0.001)ことがpreliminaryなdataとして得られた.
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