2001 Fiscal Year Annual Research Report
バンコマイシン耐性MRSAの病原性と耐性出現の検討
Project/Area Number |
13770140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原賀 勇壮 福岡大学, 医学部, 助手 (80330926)
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Keywords | バンコマイシン / 薬剤耐性 / 熱傷 / MRSA / VISA / GISA / 感染実験 |
Research Abstract |
【目的】バンコマイシン耐性MRSAの病原性を評価するために、マウス創感染モデルを作成した。【方法】7週令ddYマウス(雌)を1群5匹の2群に分けた(コントロール群[A群]、イソジンシュガー群[B群])。これらのマウスの麻酔下に、背部に直径2cmの皮膚全層欠損創を作成した。創には、既に報告したvancomycin低レベル耐性MRSAであるFu10株を1×10^8 colony-forming units (CFU)の量、滴下接種した。接種後1〜3時間後に、局所の処置を行った。A群に対しては、滅菌生食50mlの洗浄のみ行い、B群に対しては、同様に洗浄後、イソジンシュガー1gの塗布を行った。1日1回処置を行い、5日後にマウスを炭酸ガスにて致死させ、検体(皮膚欠損創下筋肉、肝臓、腎臓、肺、血液)を採取し、それぞれを、Brain Heart Infusion寒天培地(BHI-a)とマンニット食塩培地(マンニット培地)を用いて同時に、定量培養を行った。【結果】いずれの検体においても、BHI-a、マンニット培地いずれも同程度の菌数が採取され、ブドウ球菌感染が成立していることが確認された。しかし、いずれのマウスにおいても、検体採取前、創周囲の発赤等の炎症所見は来していなかった。A群においては、創下筋肉:平均10^7CFU/g、肝臓:平均10^4CFU/g、腎臓:平均10^5CFU/g、肺:10^4CFU/g、血液:10^2CFU/gの菌数が検出され、B群においては、創下筋肉:平均10^6CFU/g、肝臓:平均10^3CFU/g、腎臓:平均10^4CFU/g、肺:10^3CFU/g、血液:10^2CFU/gの菌数が検出された。【考察】バンコマイシン耐性MRSAによるマウス創感染が成立した。この動物実験モデルは、創感染の評価に有用であると思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原賀 勇壮: "グリコベプタイド低感受性ブドウ球菌(GISA, VISA)"INFECTION CONTROL. Vol.10 No.12. 38-40 (2001)
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[Publications] 原賀 勇壮: "重症熱傷患者の感染対策"MEDICAL CORNER. Vol.110 No.3(未定). (2002)
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[Publications] Haraga I: "Emergence of Vancomycin Resistant Staphylococcus aureus in A Burn Patient -Importance of Low Levels Resistance to Vancomycin-"Int J Infect Dis. (accepted).