2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール代謝遺伝子と耐糖能異常出現機構の関連性について
Project/Area Number |
13770167
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
根來 宗孝 山形大学, 医学部, 助手 (80258152)
|
Keywords | アルコール / 耐糖能異常 / 血糖値 / 血中インスリン濃度 / アルデヒドデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
目的:エタノール(以下アルコール)による糖代謝異常については、低血糖に加え耐糖能異常も報告されている。低血糖は、長時間の飢餓状態の後に大量飲酒を行うと出現する。アルコールの短期、長期摂取、あるいは摂取量によって耐糖能異常に相違があると認められている。本研究において、健常者のアルコール短期摂取による耐糖能に及ぼす影響を検討した。また、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)の表現型により耐糖能は変化するのか傾向を調査した。 方法:ALDH2表現型が活性型(1型)および不活性型(2型)の男性健常者各2名に対し、10gのアルコールと100g糖負荷の併用試験および100gの糖負荷試験を行った。採血は負荷直前、負荷後30、60および120分に行い、血中インスリン濃度(IRI)及び血糖値(BG)を検査した。アルコールがIRIおよびBGに与える影響は、Two-way repeated measures ANOVAによる分散分析を行った。 結果:アルコール糖負荷併用/糖負荷単独によるIRI経時変化はそれぞれ8.7/9.1、74.9/51.8、72.1/61.3、48.1/34.6μU/mlであった。IRIはアルコール摂取により著明な増加傾向を示したが有意差は認められなかった(p=0.26)。アルコール糖負荷併用/糖負荷単独によるBG経時変化はそれぞれ88/91、151/142、121/126、90/85mg/dlであった。BGはアルコール摂取により各タイムポイントに差を認めた(p=0.05)。 ALDH2表現型ごとのアルコールによるIRIおよびBGの経時変化に関して、アルコール摂取による2型IRI値の増加(25.9μU/ml:0-30分値)は、1型(20.4μU/ml:0-30分値)に比較すると大きい傾向が認められた。BGに関してはALDH2の表現型によると考えられる影響は確認されなかった。
|