2001 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンKの予防医学的研究(耐糖能改善効果についての栄養生理学的検討)
Project/Area Number |
13770176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
阪本 尚正 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50289071)
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Keywords | ビタミンK / 予防医学 / 糖代謝 / 耐糖能 / オステオカルシン |
Research Abstract |
前回の一連の科学研究費補助により、ビタミンK摂取による耐糖能改善への可能性が示唆され、増加する成人発症型糖尿病、特に耐糖能異常等をきたす初期の段階での発病予防へビタミンKの果たす役割が期待された。今回の同補助により、培養膵細胞における実験医学的側面と、ヒトにおける臨床栄養学的側面の両面から糖代謝とビタミンK状態との関係についてさらに検討を加えていく研究が計画されている。初年度にあたる平成13年度の実績を以下に示す。 1)培養膵細胞による実験のための環境整備。 当講座では、従来培養関連の実験は行われておらず、機器の整備の点では不充分であった。本科学研究費の補助により今回申請した比較的小型の培養関連機器が順次導入された。また、正確な実験結果を得るためには汚染を影響を可能なかぎり排除する事が必要なため、各種実験機器を慎重に選定整備し本研究を推進していく上で適切な実験環境が整備されつつある。一方、目標培養膵細胞については、膨大な候補株の中から、RIN-5F等本研究に最も適した株の選定を終了し培養にむけて準備が進められている。 2)ヒトにおける糖代謝とビタミンK状態の関係についての検討。 本研究の主旨を充分に理解し、これに積極的に参加する事に同意した若年者の、血中ビタミンK動態について検討した上で、75g経口糖負荷試験を行い、特に骨芽細胞由来のビタミンK依存性蛋白質であるオステオカルシンの活性型と低活性型成分が、糖負荷により経時的に変化することを観察した。これら興味ある知見について今後さらに検討していく予定である。
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