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2001 Fiscal Year Annual Research Report

繊維状物質による悪性中皮腫発生の分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 13770178
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

高田 礼子  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30321897)

Keywords悪性中皮腫 / 人造鉱物繊維 / 炭化珪素ウィスカー / 発がん機構 / 遺伝子変異
Research Abstract

繊維状鉱物による悪性中皮腫発生機構を明らかにするために、アスベスト代替繊維の一種である炭化珪素ウィスカーについて繊維サイズがほぼ同等な2種の試料をF344ラットの腹腔内に単回投与する中皮腫発がん実験を実施した。その結果、2種類ともに投与後早期の5ケ月以降に急激に腫瘍発生を認め、ラット1匹あたり2mg以上の投与量で80%以上の個体に中皮腫が発生し、10mg投与では50%生存期間は214日、249日と短く、これまでに報告されている他の繊維状鉱物に比して発がん性が強いことが示唆された。腫瘍は注入時に試料が滞留しやすい横隔膜、肝被膜、その近傍の後腹膜から主に発生し、腹腔内に腫瘤形成性にびまん性に広がり、血性腹水貯留例も多く認められた。病理組織学的にも上皮型、肉腫型および両者の混在した二相型も認められ、ヒトの悪性中皮腫によく類似した組織像であった。以上のように、炭化珪素ウィスカーのラット腹腔内単回注入実験は、比較的短期にヒト悪性中皮腫と類似した特徴を持つ腫瘍を再現性よく高率に発生させることができることから、ヒト悪性中皮腫発生のモデルのひとつとして有用であると考えられた。
また上記の発がん実験において悪性中皮腫発生過程を明らかにするために、中皮腫組織のほか中皮腫発生前の腹腔内組織を経時的に採取した。中皮腫発生以前の腹腔内組織では投与された炭化珪素ウィスカーの周囲に線維化が生じ、ヒトアスベスト吸入曝露症例でみられる胸膜プラークに似た像も観察された。そこでこれらの組織について、これまでにヒト悪性中皮腫で遺伝子変異および発現異常などが報告されているp16,NF2,p53,WT1遺伝子の異常を検索するために解析方法のセットアップを実施中である。

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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