2002 Fiscal Year Annual Research Report
体重・食塩摂取の変化と血圧値の改善効果に関する定量的研究
Project/Area Number |
13770197
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
野原 勝 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60285583)
|
Keywords | 高血圧 / 体重変化 / 食塩摂取 / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高血圧に対する個別健康教育事業の統一されたプロトコールに基づいた健康教育による生活習慣に対する介入効果として、特に体重減少、塩分摂取量の変化と血圧の変化についてその関連を定量的に検討することにある。 解析対象者は20-69歳で前年度の血圧の検診結果が140/90mmHg以上、180/110mmHg以下のもので高血圧個別健康教育の参加者から脱落者を除いた504名(age 57.3±9.1)である。血圧測定は自動血圧計を用い標準化された方法で測定した。またスポット尿中Na、K、身長、体重を測定した。 1)高血圧の保健指導の効果について 6ヶ月間の高血圧保健指導により収縮期血圧で平均5.2mmHg、拡張期血圧で2.0mmHgの低下が認められた。 2)指導前における肥満度と血圧値の変化について 指導開始時における肥満度をBMI22未満、22から24.9、25以上の3群に分けて、6ヶ月間の保健指導による血圧値の変化を比較した。すべての群で収縮期、拡張期血圧ともに低下を認めたが、3群間に有意な差は認めなかった。このことは血圧の低下は、介入時の肥満度の違い、つまり血圧に対するリスクの大小にかかわらず同様であることを示している。 3)体重の変化と血圧所見の変化について 6ヶ月間の保健指導後の体重変化を体重増加群、0から2.99Kgまでの減少群、3Kg以上減少群の3群に分けてそれぞれ血圧の変化を比較した。収縮期、拡張期血圧ともに体重が減少した群ほど低下が大きく、3Kg以上減少した群では有意に血圧の低下を認めた。 4)重回帰分析で求めたSBPの変化と体重の変化、塩分摂取の変化、性別、年齢、BMIの関連は、血圧の低下と体重の減少量の間に有意の関係を認めたが、他の因子間では関係を認めなかった。この解析において、体重1kgの減少に関係したSBPの低下は0.89mmHgであった。
|
Research Products
(1 results)