2002 Fiscal Year Annual Research Report
大規模疫学調査による川崎病発病1年後の心後遺症残存に影響を及ぼす因子の解明
Project/Area Number |
13770200
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296092)
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Keywords | 川崎病 / 心後遺症 / 疫学調査 / 予後 / 危険因子 |
Research Abstract |
川崎病の急性期に存在した心障害が1か月後、1年後にどのように残存するかを経時的に明らかにし、1年後の予後に影響を及ぼす要因として性、年齢再発の有無、急性期の臨床検査成績(ヘマトクリット値、白血球数、好中球割合)、ガンマグロブリン治療方式(総投与量、開始病日、投与期間)を明らかにすることを目的とした。第15回川崎病全国疫学調査で報告患者数の多い93施設(患者数2013人)に協力を依頼し、1年後の状況と心後遺症の有無を追跡調査し、初診時(全国調査実施時)の情報と合わせて解析した。 急性期心障害は16.8%、1か月後の心後遺症は6.6%、1年後心後遺症は3.2%であった。どの時点でも男が女に比べて高く、1歳未満と5歳以上で高かった。急性期、1か月後、1年後の心障害・心後遺症の有無に、影響を及ぼす要因を観察するために多重ロジスティックモデルを用いてオッズ比と95%信頼区間を求めた結果、急性期では高好中球割合、1か月後では年齢(1歳未満)、再発、高好中球割合が、1年後では再発、高白血球数、高好中球割合が統計学的に有意であった。また、統計学的に有意ではないが、男、再発、低ヘマトクリット値、高好中球割合は時間が経過するに伴ってオッズ比が大きくなる傾向を示した。反対にガンマグロブリン治療「あり」は時間が経つにつれてオッズ比が小さくなる傾向が見られた。ガンマグロブリン治療「あり」の者を対象に総投与量、投与開始病日、投与期間別を説明変数に加えて解析した結果、1年後における心後遺症はガンマグロブリン投与期間が長い(3日以上)方がオッズ比が高かった。
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Research Products
(1 results)