2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770210
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
藤浦 芳久 久留米大学, 医学部, 助手 (90309782)
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Keywords | 住民検診 / 頚動脈エコー / 食品頻度調査 / n-3糸脂肪酸 / 抗酸化ビタミン |
Research Abstract |
我々は、平成11年に福岡県浮羽郡田主丸町で行った一般住民検診に於いて、動脈硬化性病変を評価する補助的手段として、非侵襲的で観察が可能な高解像度頚動脈超音波断層検査を取り入れた。また、同時にfood frequency法による詳しい食事摂取調査を行った。これまでの検診では前日の食事を記入してもらう24時間思い出し法を用いてきたが、普遍性に乏しく、客観的な個々の栄養摂取量を反映しない可能性があるため、105項目の詳しい食品頻度調査を行った。対象は本検診を受診した40歳以上の男女1920名であり、18名を除く1902名(男性785名、女性1117名)に頚動脈エコー検査と食品頻度調査を施行した。本邦では頚動脈エコーを住民検診に於いて施行することは稀であり、日常の食生活で摂取する栄養素と頚動脈エコー所見との関連を調べた研究は未だ行われていないため、その成果は極めて興味深いものである。 調査結果を分析すると、n-3系脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が頚動脈の内膜・中膜厚および頚動脈プラークと負に関連(p<0.05)し、これらの栄養素が抗動脈硬化作用を有する可能性が示唆された。即ち、EPA, DHAの摂取量が少ない人ほど、頚動脈の内膜・中膜厚が厚く、頚動脈プラークを有する頻度も高いという結果であった。さらに、抗酸化ビタミンであるビタミンCの摂取に於いても同様な関連を有することが示されたが、ビタミンEに関しては有意な関連は認めなかった。 現在、我々は検診後5年間(平成16年まで)に脳・心血管病の発症状況を調査しており、n-3系脂肪酸や抗酸化ビタミン摂取量と予後との関連を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)