2001 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝疾患におけるNKT細胞を介した経口免疫寛容反応の役割
Project/Area Number |
13770282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
梁 京賢 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70246502)
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Keywords | NKT細胞 / 経口免疫寛容 / 自己免疫性肝疾患 |
Research Abstract |
本研究は、自己免疫性肝疾患における、経口免疫寛容現象、とりわけNKT細胞の役割を、以下のアプローチで解析する事が目的である。そのため、本年度は、主として、NKT細胞の機能をなくしたマウスを人為的に作成し、抗原を経口的に投与することで、経口免疫寛容反応が消失した状態においける肝臓、脾臓の状況を検討するというアプローチを行っている。具体的には、抗NKT細胞抗体をB6マウスに注入することでNKT細胞の機能をなくしたマウスを作成した。このマウスにおいて、肝臓内におけるNKT細胞の消失は、同マウスの肝臓より採取したリンパ球をFACSを用いて行うことで明らかにできた。この状態で、これらのマウスのマウスにおける経口的免疫寛容反応の機能を検討したところ、予想どおり経口的免疫寛容反応の機能の低下が認められた。しかしながら、これらのマウスにおける、血中免疫グロブリン値、また脾臓細胞を用いた各種T細胞の機能には大きな変化は認められなかった。すなわち、抗NKT細胞抗体処理マウスでは、全身的な免疫反応には著明な変化はなく、経口的に投与された抗原に対する免疫機能にのみ何らかの変化が存在している可能性があると考えられる。 現在、このNKT細胞を欠損したマウスを用いて、免疫応答遺伝子の影響が確実な抗原を用いて、免疫を繰り返し行い、その効果(肝障害の程度や、脾臓重量の変化、これらの臓器の組織学的変化)を解析している。この結果から、肝臓におけるいくつかの自己免疫疾患のモデルマウスの作製と、その病態の解析が可能になると考えられる。
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