2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性肺疾患におけるadrenomedullinの関与について
Project/Area Number |
13770312
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齊藤 雄二 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30308853)
|
Keywords | adrenomedullin / 好中球 / CD11b / cAMP / 肺動脈内皮細胞 / ICAM-1 |
Research Abstract |
今回の研究において以下の新しい知見が得られた。 1)好中球活性化に対する外因性adrenomedullinの作用および作用機序の検討 fMLPにより活性化した好中球において、好中球膜表面上の接着分子であるCD11bは有意に発現が増加した。このCD11bの発現増加は、外因性に投与されたadrenomedullin10^<-6>〜10^<-8>Mにおいて部分的に、しかしながら有意に抑制された。この抑制効果は、CGRP受容体拮抗剤であるCGRP(8-37)で完全に阻害された。また、adenylate cyclase inhibitorであるSQ-22,536およびprotein kinase AであるKT-5720にてもadrenomedullinのCD11bに対する作用は有意に抑制された。更に、adrenomedullinの外因性投与により、好中球内のcAMPは有意に増加した。以上より、adrenomedullinが好中球表面上のCGRP-like受容体に結合し好中球内のadenylate cyclaseを活性化させることにより、細胞内cAMP量を増加させ、最終的にprotein kinase Aを活性化させることにより好中球膜表面上のCD11bの発現を抑制させることが判明した。以上、今回の研究結果においてadrenomedullinが好中球の活性化および炎症部位への遊走を抑制しうる可能性を示した。 2)肺血管内皮細胞に対する内因性および外因性adrenomedullinの作用および作用機序の検討 肺動脈内皮細胞にlipopolysaccharide(LPS)を添加した結果、肺動脈内皮細胞のICAM-1の発現は増加した。このLPSによるICAM-1の発現は外因性のadrenomedullin10^<-7>〜10^<-8>Mにて有意に抑制された。しかしながら、LPSによるICAM-1の発現は抗adrenomedullin血清およびadrenomedullin受容体拮抗剤の投与によって有意な変化は認めなかった。以上より外因性のadrenomedullinはICAM-1の発現を抑制するが、内因性のadrenomedullinはLPSによるICAM-1の発現に関与しないものと考えられた。現在、外因性のadrenomedullinのICAM-1発現抑制機序について検討中である。
|
Research Products
(1 results)