2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患発症機序の解明:シナプスに局在する新規の脱ユビキチン酵素との関連
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13770319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田 慶宝 信州大学, 医学部, 助手 (40324264)
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Keywords | シナプス後肥厚部 / PSD / 神経変性疾患 / postsynaptic density / ハンチントン病 |
Research Abstract |
シナプス後部にmRNAが局在する遺伝子(Dem遺伝子)を網羅的に同定しようとするプロジェクトにおいて発見した新規の遺伝子について, 完全長のcDNAのクローニングとそれらの性質,および機能解析を進めた.いくつかの新規完全長遺伝子をクローニングし遺伝子登録を行った.新規のubiquitin-specific protease(USP)については以下の所見を得た. cDNAの全長は5378bp.1036アミノ酸をコードするORFを有するUSP familyに属する新規遺伝子である.GSTとのfusion proteinはUSP活性を有しており,mRNAはdendriteに局在する.カイニン酸痙攣誘導により発現が増加した.抗体を作製し,subcellular分布を調べるとタンパクはPSD画分に局在した. 他に,神経変性疾患のうち,特にアルツハイマー病との関連が示唆される新規遺伝子として以下のものも同定した.ssLRP(short form synaptic LDL receptor-related protein):cDNAは約6.8kbp.コードされるタンパク質は膜貫通ドメイン1個を持ち,複数のEGFリピート等を持つ新規遺伝子で,細胞接着やそれに付随する細胞内シグナル伝達系に繋がる,ある種のレセプタータンパク質をコードすると予想される.mRNAはdendriteに局在する.カイニン酸痙攣誘導により発現が増加する.C末でPSD-95,SAP97と結合した.免疫組織染色で神経細胞の樹状突起に局在した.細胞外にAb,ApoEAPP等との結合を示唆するドメインを有していたので,Alzheimer病の発症に関わっている事が示唆された.
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Research Products
(1 results)