2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性モデルマウスに蓄積した変性タンパク質の同定
Project/Area Number |
13770336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
清水 孝彦 東京都老人総合研究所, 分子遺伝学部門, 研究員 (40301791)
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Keywords | 神経変性 / 翻訳後修飾 / イソアスパラギン酸 / イソアスパラギン酸メチル転移酵素 / ノックアウトマウス / シナプシン1 / 老化 / シナプス |
Research Abstract |
イソアスパラギン酸メチル転移酵素(PIMT)欠損マウスは個体発生は正常に起こるが、生後5週以降、神経細胞変性が出現し、マウスは正常の神経機能を維持できずに痙攣発作を呈し、12週までに100%死亡する。また、ホモ接合体マウス脳では、野性型マウス脳に比べ、蛋白質中のイソアスパラギン酸残基(isoAsp)が7〜10倍に増加していることが判明している。これまでの解析から、神経変性とイソアスパラギン酸蓄積の関連が示唆された。本研究では神経変性モデルマウス(PIMT欠損マウス)に蓄積したisoAsp含有タンパク質の同定を試みた。 シナプトソームの主要なリン酸化蛋白質であるシナプシン1はin vitroの解析からisoAsp修飾を受けやすいこと、シナプシン1欠損マウスは痙撃発作を呈しやすい表現型を示すこと、PIMT欠損マウス脳シナプトソーム画分のisoAsp蓄積が30倍高いことが判明している。PIMT欠損マウス脳抽出物をアミノ末端領域を認識する抗シナプシン1モノクローナル抗体および抗シナプシン1抗血清で解析したところ、モノクローナル抗体の反応性だけがPIMT欠損マウス脳において、著しく低下することを発見した。この反応性の低下はシナプシン1の量的低下を伴なっていなかった。PIMT欠損マウス脳からシナプシン1蛋白質を精製し、isoAsp修飾の程度を調べたところ、シナプシン1、1mol当たり0.5molのisoAsp修飾が生じていることが判明した。この修飾量は正常マウスシナプシン1の36倍であった。これらの結果から、PIMT欠損マウス脳ではシナプシン1の過剰なisoAsp蓄積がタンパク質の構造変化を生じ、シナプス機能に重大な影響を与えた結果、神経変性を引き起こし、痙攣発作で死亡すると予想された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakai, D. et al.: "Mouse homologue of coq7/clk-1, longevity gene in C. elegans, is essential for coenzyme Q synthesis. maintenance of mitochondria integrity, and neurogenesis."Biochemical and Biophysical Research Communications. 289. 463-471 (2001)
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[Publications] Takahashi, M. et al.: "Mouse coq7/clk-1 orthologue rescued slowed rhythmic behavior and extended life span of clk-longevity mutant in C. elegans."Biochemical and Biophysical Research Communications. 286. 534-540 (2001)