2001 Fiscal Year Annual Research Report
迷走神経電位の定量的計測による新しい自律神経機能評価方法の開発
Project/Area Number |
13770339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南家 俊介 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00323105)
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Keywords | 迷走神経活動 / 覚醒 / 人工心臓 / 自律神経機能 |
Research Abstract |
本年度は迷走神経活動電位の覚醒下での計測を繰り返し行い、それらの結果から大動脈圧の変動と迷走神経活動の関連を検討した。迷走神経活動は、特に遠心路で急激な血圧変動や起立動作によってすばやく,大きく変動した。事故等による血圧の急激な変動や起立性低血圧など、人工心臓などによる人工循環維持の際に問題となりうるが、従来のスターリングの法則に則った制御アルゴリズムはこれに対処できていない。また多くの現在開発中の制御アルゴリズムが大動脈圧などの破損しやすい圧力センサーに依存したアルゴリズムであり、長期間の制御に不安がある。迷走神経活動は、この問題に対処するために有効な入力となる可能性が示されている。 また、長期間の迷走神経活動の計測を試みて、現在のわれわれの開発した方法で覚醒下で4週間程度の連続的な迷走神経活動の計測が可能であることを確認した。神経電位の長期間の直接計測は困難であることが従来から言われており、画期的な結果であったので本結果はアメリカ人工臓器学会で発表した。現在は、さらに侵襲の少ない新たな神経電極を開発し,長期間の神経電位計測を試みているところである。 覚醒下での自立神経活動から自律神経機能を評価するために、周波数解析、エントロピー、フラクタル次元といった非線形解析や、移動平均、積分波などの線形解析の両面から検討を重ねているところである。線形解析では短時間の変化の予測が可能であることが示されており、この結果は人工臓器学会・ME学会で報告した。また長期間の予測については非線形解析などを利用して現在検討中である。
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Research Products
(1 results)