2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (10248669)
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Keywords | 不器用 / 学習障害 / 視覚-運動協応 / 運動調節課題 |
Research Abstract |
本年度の研究では、注意と運動反応の関連を評価するための測定装置の開発、更に学習障害児(以下、LD)に生じる不器用さについてピンチ力を指標とした量的な評価と心理学的障害特性について検討を行った。測定装置は静止した視覚刺激に対する単純な運動課題である従来のreaction time型(以下、RT)と、20msから140ms(20ms間隔)の提示時間で示される図形の視索課題であるinspection time型(以下、IT)を、パーソナルコンピューター上で測定ができるようにFileMaker Pro 5.0 Run time版を用い自作した。更に、視覚刺激の変化に伴い継時的に運動反応の強さと遂行肢を切り替える課題(以下、視-運動協応課題)を評価する装置を開発した。これはニスタモグラフにより発生させた正弦波によって制御された光点を視覚刺激、運動反応はロードセルをつまむ時のつまみ力の制御とし、つまみ力の変化によってロードセルに生じる電圧変化を視覚的にバーゲージに表示し、運動制御の状態を視覚的にフィードバックできるようにした。更に、ニスタモグラフにより発生させた正弦波とロードセルから発生する電圧変化は増幅器からA/D変換器へ出力されパーソナルコンピューターへ取り込み記録できるように設定した。本年度はコントロールデータとして健常成人9名にて測定を行いRTでは190〜220msの範囲、ITでは60〜80Hzが視索限界時間という結果を得た。視-運動協応課題では利き手と非利き手の間で運動調節能力に特異性があり、それが原波形および歪度・尖度という統計的指標でも示される可能性が示唆された。次年度は健常成人およびLDを対象として研究を進めていく予定である。臨床的に不器用さを示すLDと健常若年者におけるつまみ型によるピンチ力の差違では、LDはつまみ型間のピンチ力のバランスが健常若年者と明らかに異なっており、ピンチ力という量的な要因も不器用さに影響を与えている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)