2001 Fiscal Year Annual Research Report
STAT6欠損マウスを用いた坑原特異的IgEを介した遅発型反応の発症機序の解析
Project/Area Number |
13770431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湊原 一哉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20302846)
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Keywords | STAT6 / マウス / A431 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
今回,マウスにおけるSTAT6の役割の検討と並行してヒト表皮細胞を用いて化学物質によるIL-1α産生増強に関するシグナル伝達系についての検討を行った。 まず環境中の様々な化学物質ついて人体に及ぼす刺激性を評価するためヒト表皮細を培養し科学物質を添加して産生されると予測されるサイトカインの定量を行った。培養細胞はA431細胞を用いた。添加する感作性物質としてTNBS, Ni,刺激物質としてSDSを選択した。6wellプレートの各wellにつき1.5×10^<-4>個のA4311細胞を播種、subconfluentに達した時点で培地を交換し化学物質を添加した。24時間後に回収した上清中のIL-1α,IL-8,およびINF-αの濃度をELISA法にて測定した。また,同様にして3時間後に回収した細胞についてはβアクチンとIL-1αのプライマーを用いてRT-PCR法を施行した。その結果刺激物質のSDSによりIL-1αの産生増強が認めらた。感作性物質のTNBSによりIL-1αおよびIL-8の産生が増強された。また,これらの化学物質によりIL-1α産生はmRNAレベルでも増強した。しかしながら,Niの刺激では増強するサイトカインはなかった。A431細胞に様々な化学物質を添加してIL-1α産生を測定することにより一部の物質については刺激性あるいは感作性の有無についてのスクリーニングーが可能であろうと考えた。 次にこれらの化学物質によるIL-1α産生増強に関するシグナル伝達系についての検討をした。方法はTNBSおよびSDSの添加30分前にNF-kB活性を抑制するPDTCあるいはAP-1の活性化経路を阻害するSB202190およびPD98059を培地に加えた。1時間後に細胞を回収し核からの抽出物のNF-kBあるいはAP-1に対しコンセンサスなオリゴヌクレオチドを添加してその復合体をゲルシフトアッセイにて検出した。また培養24時間後の上清についてはIL-1α濃度をELISA法で測定した。その結果SDS添加によるIL-1α産生はAP-1よりもNF-kB抑制によりより強く減弱した。TNBS刺激の場合は逆にAP-1のブロックでよりIL-1α産生は減弱した。以上のことから刺激物質と感作性物質ではそれぞれことなった転写因子を活性化する可能性が示唆された。
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