2001 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の分化に伴って発現する新規分子4A40の解析
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13770432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高石 樹朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10303223)
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Keywords | 表皮角化細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
マウス胎児皮膚の発生過程において発現量力蜘ヒする遺伝子として単離された4A40 (Homerinと改名)は2496アミノ酸残基よりなるタンパク質をコードする。このタンパク質はN端にS100タンパク群に類似するEFハンドモチーフを持ち、これに続きおおよそ170アミノ酸残基を一単位とする反復配列より構成される。このようなProfilaggrin類似の構造と、これまでの研究結果から表皮角化細胞の角質形成に関与することが示唆された。 今年度は、抗Homerinポリクローナル抗体を用いた検討を行った。免疫蛍光坑体法では、マウス表皮の主として顆粒層細胞のケラトヒアリン顆粒に一致して陽性像が確認された。抗Profilaggrin抗体を用いた2重蛍光染色を行ったところ、それぞれの陽性象の多くは一致した。細包内分布について、より詳細な検討を行うため免疫電顕法を行った。ProfilaggrinがF顆粒全体に分布するのに対して、Homerinは同顆粒の辺縁領域に分布する傾向が観察された。両タンパク質の顆粒内分布が異なることがどのような意味を持つのかは、今後の検討課題である。 一方、In vivo実験系として初代培養のマウス表皮角化細胞をCa^<2+>添加により分化させ、Homerinの発現動態をWestern法により検討した。0.12 mM Ca^<2+>添加48時間後,Homerinタンパク質の誘導が観察された。Pofilaggrinタンパク質の発現動態もこれに一致した。同様にして分化誘導した培養細胞を免疫蛍光法により観察したところ、細胞内に顆粒を持つ一部の細胞に、その顆粒に一致する陽性像が得られた。すなわち、In vivo、In vitroいずれの表皮細胞においてもHomerinは分化した細包内の顆粒に局在することが明らかとなった。これらの結果の一部はThe Journal of Biological chemistry,276(50)47445-52,2001に発表した。 ヒトオーソロガス遺伝子については、その候補遺伝子の発現を確認した。現在クローニングを行っている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Makino T, Takaishi M, Morohashi M, Huh NH.: "Hornerin, a novel profilaggrin-like protein and differentiation-specific marker isolated from mouse skin"Journal of Biological Chemistry. 276(50). 47445-47452 (2001)