2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性メディエーターによる、クローディンー5の血管内皮細胞での発現変化の検討
Project/Area Number |
13770443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 和政 京都大学, 医学研究科, 助手 (40324652)
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Keywords | 炎症性メディエーター / クローディンー5 / ヒスタミン / 血管内皮細胞 / 真皮 |
Research Abstract |
ヒスタミンは炎症性メティエーターの1つであり、真皮血管の透過性を亢進させ、蕁麻疹や真皮血管炎の病態形成に寄与する。また、タイトジャンクションは血管内皮、単層上皮に存在し、細胞間の透過性を制御している。このヒスタミンによる血管内皮透過性亢進メカニズムを理解するために、以下の2点について検討した。 (1)cDNAarrayを用いて、ヒスタミンによりどのようなmRNAの発現変化が血管内皮に生じるのかを検討した。ヒスタミンによるmRNAの発現変化を、ヒト1次培養真皮血管内皮細胞に対するcDNAarrayを用いて網羅的に観察したところ、GDP/GTPaseの発現が概して増強、細胞接着や細胞骨格関連分子のmRNAの発現は概して減弱した。この結果は、ヒスタミンの血管透過性変化が、接着分子やリン酸化シグナルを介して生じている可能性を示唆した。 (2)血管内皮のタイトジャンクションにはクローディンー5が発現していることが知られている。このクローディンー5に対するヒスタミンの影響を観察することを念頭におき、真皮血管内皮でのクローディンー5の発現を詳細に検討した。ヒト、マウス、ラット皮膚に対し、抗クローディンー5抗体を用いた蛍光抗体法を行ったところ、クローディンー5は真皮血管内皮細胞間に豊富に発現していた。しかし、PECAM-1、PAL-Eとの蛍光抗体二重染色により、毛細血管、小血管の一部にはクローディンー5は発現していないことが明らかとなった。また、フリーズフラクチャー電子顕微鏡法により、ヒト1次培養真皮血管内皮細胞にはE-faceに内在性粒子が乗るタイトジャンクションが観察された。さらに免疫レプリカ電子顕微鏡法で観察すると、そのタイトジャンクションにはクローディンー5が存在することが明らかとなった。
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