2001 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチノサイトの分化におけるNotchシグナリングの役割に関する研究
Project/Area Number |
13770445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小澤 健太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50301255)
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Keywords | ケラチノサイト / 分化 / Notchシグナリング |
Research Abstract |
ヒトケラチノサイトの分化におけるNotchシグナル系の役割を解析するため、正常ヒト皮層におけるNotchシグナル系構成分子の発現様式を検討した。Notch 1、2、3はmRNAが有棘層及び顆粒層といった分化過程のケラチノサイトに発現することが明らかになった。又、Notch 1に関しては蛋白質レベルでも同様の発現パターンを示す事が確認された。更に主要なNotchリガンドであるDeltaに関してもmRNA発現はNotchと一致することから、Notchシグナル系が正常皮膚のケラチノサイトの最終分化に関与する事が示唆された。毛包における発現を検討したところ、Notch、delta共に外毛根鞘細胞に発現が認められ、毛包ケラチノサイトの分化にも関わる可能性があると考えられる。 次いで、種々の分化状態の皮膚腫瘍におけるNotchシグナル系構成分子の発現をNotch 1とDeltaに関して検討したところ、比較的分化度の保たれた高分化型有棘細胞癌や石灰化上皮腫において両者の発現が認められた。特に、石灰化上皮腫においては分化しつつある移行細胞に高発現を認めた。一方、低分化型有棘細胞癌や基底細胞上皮腫では発現が認められなかったことから、Notchシグナル系が腫瘍性のケラチノサイトの分化にも関わる事が示峻された。 ケラチノサイト分化におけるNotchシグナルの作用を更に検討するために、Notch 1の活性型変異体をケラチノサイト由来の株化細胞であるHaCaT細胞に強制発現させ、ケラチノサイトの分化マーカーの発現に及ぼす影響を検討した。その結果、最終分化マーカーであるインボルクリンの発現が亢進する事が明かとなった。以上の結果からNotchシグナル系はケラチノサイト分化における正の制御因子としての役割を有することが示唆される。
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