2001 Fiscal Year Annual Research Report
毛組織の一部を異系移植することにより認められる発毛現象の解析
Project/Area Number |
13770470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長瀬 彰夫 北里大学, 医学部, 助手 (00265670)
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Keywords | マウスヒゲ毛包移植系 / 非古典的MHC-classI / dermal sheath / 種特異的拒絶反応時 / Fas-FasLアポトーシス系 |
Research Abstract |
ヒトでは異系移植時に毛球部周囲のdermal sheath(DS)を移植すると、拒絶されない。しかし、我々のマウスヒゲ異系移植系で、dermal sheathを含む毛球部を移植すると、宿主マウス脾細胞に細胞傷害活性が認められた。この組織には移植前後とも古典的MHC-classI抗原の発現を認めない。以上から、DSを含む毛球部は異系マウスに認識され、傷害活性を誘導し得る抗原を発現している事が示唆された。近年、細胞傷害活性を誘導し得る未だ知られていないMHC-classI抗原である非古典的MHC-classI抗原の関与も示唆され、DSを含む毛球部に非古典的MHC-classI抗原が発現している可能性が考えられる。 また、種特異的拒絶反応時の免疫担当細胞の観点から、DSを含む毛球部の異系移植時の拒絶反応及び細胞障害活性の誘導は、非古典的MHC-classIを認識した特異的な細胞傷害性T細胞によると考えられる。DSが拒絶されない理由として2つ考えられる。DSは古典的MHC-classI抗原非古典的MHC-classI抗原の両者とも発現しておらず、細胞傷害活性を誘導しない。この時、毛球部には非古典的MHC-classI抗原が発現し、拒絶される。2つ目には、DSには古典的MHC-classI抗原は発現していないが、非古典的MHC-classI抗原を発現しており、特異的細胞傷害活性を誘導する。しかし、DS表面上にFas-ligandが発現し、浸潤してきたFasを発現する細胞傷害性T細胞をアポトーシスに陥らせ、拒絶反応を逃れる機構が考えられる。 今後、DSを含む毛球部をさらに細分化、異系移植を行い、細胞傷害活性の誘導を検討する。同時に、Fas-ligandの発現を免疫組織化学的に検討することにより、DSが異系移植時に拒絶反応を逃れる機構を解明し、DSを含む毛球部の免疫原性の詳細を検討する予定である。
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