2001 Fiscal Year Annual Research Report
頭部抜去毛嚢からの培養外毛根鞘細胞シートによる植皮の基礎的研究
Project/Area Number |
13770482
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
黒瀬 浩一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (80309799)
|
Keywords | 培養 / 抜毛 / 毛嚢 / 外毛根鞘 / stem cell / 培養表皮シート |
Research Abstract |
抜去毛嚢から培養表皮シートを作製し、臨床応用、基礎研究に供する場合に、いかなる方法が最も効率が良いかを年齢、性別、抜去部位、培養方法に関して検討した。 年齢に関しては14歳から81歳までの14症例において施行した。培養方法はexplant cultureとし、plateはtype I collagenをコートしたものを用いた。さらに単に毛嚢を静置したもの、トリプシンで37℃3分処理した後に静置したもの、静置した後にカバーグラスをかぶせたもの、トリプシン処理とカバーグラスを併用したものに分けた。 その結果、培養可能であった4症例は、後頭部1例、前頭部1例、頭頂部1例、側頭部1例と部位には関係なく、年齢も19歳男性、34歳男性、74歳男性、81歳で年齢との関連はなかった。方法でも静置のみ1例、カバーグラスのみ2例、酵素処理とがバーグラス併用1例で、どの群でも培養可能症例がみられた。 培養可能であった毛嚢を顕微鏡下で観察すると、毛球部からは細胞の遊走はみられず、毛隆起部、すなわち、現在毛嚢の細胞のstem cellがあるとされているbuldge領域から細胞が増殖していった。また、その際、毛隆起部は丸く膨隆していき、その部から細胞が増殖していった。この丸く膨隆した部の細胞は来年度stem cellのマーカーを持っているか否かを検討する必要がある。今回の検討では14症例中4例の培養しか成功せず、未だ良い培養方法が確立出来なかった。毛嚢の大きさや、いかに毛隆起部を損傷なく抜毛し、培養に供する際、いかに毛隆起部をatraumaticに扱うかが重要と考え今後の検討課題と考える。症例を増やし、来年度も引き続き検討を行う予定である。
|