2002 Fiscal Year Annual Research Report
F-18イオンを用いたポジトロンCTによる骨折リスクの評価の研究
Project/Area Number |
13770486
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋口 徹也 群馬大学, 医学部, 助手 (60323367)
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Keywords | 骨粗しょう症 / Tc-99m(V)-DMSA / FDG / 続発性副甲状腺機能亢進症 |
Research Abstract |
慢性腎不全による長期血液透析症例では、カルシウム代謝異常により副甲状腺機能亢進症を頻繁に合併し、繊維性骨炎をはじめとする腎性骨異栄養症(ROD)が引き起こされる。これらの状態をより早く診断し、より早い治療を行う事が骨粗鬆症による骨折を予防する場合に非常に重要である。本研究では、当初F-18イオンの骨代謝評価により骨折リスクの評価を計画していたが、手技が煩雑であるためより簡便な代用法として、昨年度報告したSPECT用製剤である^<99m>Tc(V)-DMSAを用いる方法、そして別個に、副甲状腺の透析症例での代謝亢進状態をFDG-PETにて評価する方法の両面から試みる方針に変更した。第一に、破骨細胞の活性を反映して骨に集積する^<99m>Tc(V)-DMSAでは、主に臨床例での検討を行った。合計、6例にて検討を行い、2例ではビタミンD3パルス療法の前後で検討を行った。その結果、骨吸収の半定量的指標である腰椎(L1-5)のSPECT像での、腰椎とバックグラウンドの集積比(L/B)が高い症例でintact-PTH値も高い傾向が見られることがわかった。今後、さらに、症例を増加し解析を続けて行きたい。第2に、FDG-PETによる副甲状腺機能亢進症の評価であるが、こちらは^<99m>Tc-MIBI-SPECTとの比較で臨床例での有用性につき検討を行った。原発性1例、続発性5例の合計6症例で検討を行った。結果として、原発性症例では、FDGでのみ病変の極在診断が可能であったのに対して、5例の続発性症例では、MIBIでは合計8つの機能亢進性結節を診断できたのに対して、FDGでは全く診断出来ないことがわかった。この様な今期の検討で、FDG-PETは副甲状腺機能亢進症では、一般的に極在診断に適さない事がわかったため、今後は組織レべルの検討でなぜ続発性の副甲状腺腫にはFDGは集積しないかについて検討を加えたいと考えている。
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[Publications] Zhang H: "Oncological diagnosis using positron coincidence gamma camera with fluorodeoxyglucose in comparison with dedicated PET"The British Journal of Radiology. 75. 09-416 (2002)
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[Publications] 濱口真吾: "FDG-PETが診断の契機となったPancoast腫瘍の1例"画像診断. 22. 58-62 (2002)
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[Publications] 樋口徹也: "特集:ポジトロン核医学の最先端:FDG-PET検査のがん診療への臨床応用(悪性リンパ腫)"日本医学放射線学会雑誌. 62. 278-238 (2002)
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[Publications] 濱口真吾: "ポジトロンCTが特徴的な所見を示した全身サルコイドーシスの2例"画像診断. 21. 1232-1237 (2001)
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[Publications] 樋口徹也: "悪性リンパ腫update;5.核医学による診断 PETによる診断"臨床放射線. 46. 1227-1237 (2001)
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[Publications] 樋口徹也: "悪性リンパ腫患者におけるPETの有用性"血液腫瘍科. 43. 272-278 (2001)