2001 Fiscal Year Annual Research Report
3T高磁場MR装置におけるラットWernicke脳症モデルの脳代謝の評価-定量^1H MRSの試み-
Project/Area Number |
13770495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
越元 佳郎 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90311688)
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Keywords | MRS / チアミン / ウェルニッケ脳症 |
Research Abstract |
1.実験用高磁場3T-MR装置を用い、正常ラット脳1H MRSを試みた。8週齢のSDラットを対象とした。ラットWernicke脳症モデルを経過観察する上で、通常のMRIでの異常を検出するための正常コントロールとして、冠状断T2強調画像も撮像した。脳1H MRSにはPRESS法を用い、VOIはラット脳全体を含むように7x7x7mmとした。安定した1H MRSを得るためには、磁場を手動補正することにより磁場の均一性を高めること、深麻酔の状態を長く維持することで対象の動きをなくすことが重要であった。この結果、安定した正常ラット脳の1H MRSのデータを収集することができるようになり、N-acetylasparatate(NAA)、クレアチン(Cr)、コリン(Cho)のピークを信頼性良く得ることができた。 2. 1で得られたNAA、Cr、Choのピーク値は相対的な値であるため、絶対的数値として定量的に求めることを次の目標とした。当初、外部指標として水ファントムを置き、水1H濃度が55.6mmol/mlであることからNAA、Cr、Choを定量的に求める方法を用いる予定であった。今回MRSに使用したコイルはラット用に作られたもので、感度良くデータを収集するためラットに密接して使用するタイプのコイルであった。このため外部指標の水ファントムを置くスペースがなくなってしまい、現時点の機材、方法では定量化は困難である。対処法としてコイルを新しく作成するか、脳脊髄液を内部指標として用いるかを検討中である。
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