2001 Fiscal Year Annual Research Report
サブタイプ選択的な新規ニコチン性アセチルコリンレセプター結合放射性化合物の開発
Project/Area Number |
13770499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (60252425)
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Keywords | ニコチン / アセチルコリンレセプター / 鎮痛 / ラジオレセプターアッセイ / α_2β_4サブタイプ / 神経因性疼痛 / 坐骨神経結紮モデル |
Research Abstract |
中枢に存在するニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)は、記憶・学習・認知などの脳神経機能に関与すると共に、抗不安作用、鎮痛効果、神経保護効果など多様な性質を有することが知られている。これまで、アルツハイマー病などの脳神経疾患においてnAChRの顕著な減少が報告され、nAChRを対象とした様々な検討が行われてきたが、その中枢での詳細な役割については明らかとなっていない。これは、中枢に複数のnAChRサブタイプが存在することに起因しており、それ故、各サブタイプの機能を別々に評価することが必要である。特に、α_2β_4及びα_7サブタイプは中枢での発現量が多く、脳内nAChRの主要な部分を担っているものと考えられることから、これらの機能を選択的に評価する測定法の開発が強く望まれている。そこで、本研究では、α_2β_4サブタイプに高い親和性、選択性を有する5-iodo-3-(2-(S)-azetidinyl-methoxy)pyridine(5IA)を合成し、現在臨床で問題となっている神経因性疼痛に対する5IAの作用を検討するとともに、本化合物の^<125>I標識体を用いて、神経因性疼痛へのα_2β_4サブタイプの関与について基礎的に検討した。まず、坐骨神経結紮モデルラットを作製し、神経因性疼痛に対する51Aの効果について調べた結果、5IAは神経因性疼痛に対しnAChRを介して鎮痛作用を示すことを認めた。次に、ラジオレセプターアッセイにより本モデルラットにおけるnAChRの変化を調べたところ、神経因性疼痛時に視床においてnAChRの密度が上昇した。そこで、5IAをモデルラットの視床後外側腹側核内に直接投与したところ、鎮痛作用を発現することが確認され、鎮痛作用の発現には、視床に存在するnAChRのα_2β_4サブタイプを介した痛覚情報伝達の抑制が関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)