2001 Fiscal Year Annual Research Report
核医学を用いた非虚血性心疾患に伴う心筋細胞障害判定および治療反応性の予測
Project/Area Number |
13770526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
工藤 崇 近畿大学, 医学部, 講師 (20330300)
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Keywords | DCM / MIBG / 心縦隔比 / 心電図同期SPECT / QGS / 3D-MSPECT / 左室駆出率 / 左室容量 |
Research Abstract |
現在、計画に基づき13例の拡張型心筋症(DCM)症例をfollow up中である。現在中間段階であるため、治療反応性に関しては十分なデータが得られていないが、一般に用いられるl-123メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)の心・縦隔比に基づく方法では約2.0を境界にして、これより値が低い症例では超音波を用いた左室駆出率を初めとする心機能指標がより低い傾向は確認された。但し、心縦隔比の悪い症例でも高い心機能を保った症例、心機能が悪くても心縦隔比の良い症例が1-2例ずつ存在し、こういった症例がどのような経過をたどるか、観察中である。 また、従来は血流シンチでのみ用いられる定量的な左室容量測定についても、MIBGでの応用を試みたが、心電図同期SPECTでの測定は困難であった。心電図非同期画像での左室容量測定も試みているが、予後良好と予測される症例で、MIBGの集積改善と共に、左室容量の減少を定量的に測定できた症例があり、利用可能な可能性があると考えられた。 また、心電図同期SPECTを解析するための予備的検討として、2種類の解析ソフトウェア(QGS,3D-MSPECT)の対比検討を行った。これらの2者については拡張末期容積で約3mlの差、収縮末期容積で約1mlの差、左室駆出率で約3%の差、と高い一致率を示した。但し、有意差は存在した。臨床的にはどちらも有用であると考えられたがによる解析では左室容量が大きくなるにつれ、2者の間での測定値の解離が大きくなる傾向があった。このため、DCMの様な左室容積の大きな症例で、どちらの方法がより有効であるかを決定する必要があると思われた。これについては今後症例を重ね検討を続けていく。
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