2001 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害に対する事象関連電位を用いた精神生理学的検討
Project/Area Number |
13770561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
福島 端 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90318973)
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Keywords | 摂食障害 / 事象関連電位 / 随伴陰性変動 / CNV / P300 / 認知機能 |
Research Abstract |
今年度は、摂食障害に対して随伴陰性変動(Contingent Negative Variation :以下CNV)を用いて精神生理学的検討をおこなった。 対象は、DSM-IVの診断基準を用いて摂食障害と診断された患者群17名と同数の健常対照群とした。 心理テストには、ハミルトンの不安尺度(以下HAM-A)、ハミルトンうつ病評価尺度(以下HAM-D)、日本語版Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale (以下JY-BOCS)、食行動調査表(以下EAT)、摂食障害調査表(以下EDI)を用いた。CNVの誘発には、I.S.I.を2000msに設定したS1-S2+R課題を用いた。CNVの面積はI.S.I.の前期(500-1000ms)、中期(1000-1500ms)、後期(1500-2000ms)の3区間における基線と陰性変動で囲まれた部分をμV・msecで求めた。 CNV面積は、前期区間はP3で、中期区間はC3、Cz、P3およびPzで、後期区間はCz、P3およびPzで摂食障害群は健常対照群に比較して有意に小であった。さらにCNV面積と心理テスト得点との関連性を検討した結果、EATとEDIの得点に負の相関を認めた。さらにEATの3因子との関連性を検討した結果、DietingとBulimia and Food Preoccupationの因子の合計点と負の相関を認めた。 CNVの結果から、摂食障害群では中心-頭頂領やや左側に片寄った部位でCNVの減衰が示唆された。したがって今回の結果から摂食障害患者には左の頭頂部に何らかの機能障害が存在することが推測された。さらにCNV面積とEATおよびEDI得点と相関がみられたことは、この精神生理学的特徴と摂食障害に特徴的なダイエットや過食などの症状と関連性があることが考えられた。
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