2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80312320)
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Keywords | 白血病 / AML1 / 造血細胞 / 転写因子 / アセチル化 / p300 / DNA結合能 |
Research Abstract |
AML1は(8 ; 21)転座型白血病にて再構成を受ける遺伝子で、白血病発症に高頻度に関与する。AML1は造血細胞の発生や分化に必須の役割を果たす転写因子であるが、その機能制御の詳細な機構は不明である。近年ヒストンアセチル化酵素(HAT)による転写因子のアセチル化が新たな制御機構として注目されているが、本研究ではAML1の機能がアセチル化によって制御されるかどうかを調べ、その生物学的な意義について検討した。マウスの白血病細胞株M1を用いてAML1を免疫沈降すると、代表的なHATであるp300が共沈された。大腸菌で作成したAML1を[^<14>C]アセチルCoA存在下でp300と反応させることにより、AML1のアセチル化が確認されたAML1を発現させたCOS7細胞を[^3H]酢酸ナトリウムで標識したのちAML1を免疫沈降すると、アセチル化AML1が確認された以上よりAML1はp300と結合し、in vitroおよびin vivoでp300によるアセチル化を受けることが明らかとなった。AML1の欠失変異体およびアミノ酸置換変異体を用いた解析により、DNA結合領域よりC端側の領域に含まれる2つのリジン残基(K24およびK43)がアセチル化の標的であることが明らかとなった。ゲルシフトアッセイにおいて、AML1のDNA結合能はp300およびアセチルCoA存在下で著明に上昇した。アセチル化の標的リジン残基をアラニンに置換した変異型AML1は、野生型AML1に比べてDNA結合能、M-CSFRプロモーターを用いたレポーターアッセイでの転写活性化能、NIH3T3細胞に対する造腫瘍能のすべてが有意に低下していた。以上より、AML1はp300によりアセチル化を受け、その結果DNA結合能および転写活性化能が増強すると考えられた。これらの結果はAML1に関する新たな機能制御の機構を明らかにするものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Iztsu, K., Kurokawa, M., Imai, Y., Maki, K., Mitani, K., Hirai, H.: "The corepressor CtBP interacts with Evi-1 to repress TGF-β signaling"Blood. 19. 2815-2822 (2001)
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[Publications] Hirai, H., Izutsu, K., Kurokawa, M., Mitani, K.: "Oncogenic mechanisms of Evi-1 protein"Cancer Chemother Pharmacol. 48. S35-S40 (2001)
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[Publications] Imai, Y., Kurokawa, M., Izutsu, K., Hangaishi, A., Maki, K., Ogawa, S., Chiba, S., Mitani, K., Himi, H.: "Mutations of the Smad4 gene in acute myelogeneous leukemia and their functional implications in leukemogenesis"Leukemia Lymphoma. (in press).
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[Publications] zutsu, K., Kurokawa, M., Imai, Y., Ichikawa, M., Asai, T., Maki, K., Mitani, K., Hirai, H.: "The t(3;21) fusion product, AML1/Evi-1, blocks AMLi-induced transactivation by recruiting CtBP"Oncogene. (in press).