2001 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管アミノ酸尿症の責任遺伝子解明と治療法の確立
Project/Area Number |
13770601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
瀬川 博子 徳島大学, 医学部, 助手 (70325257)
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Keywords | アミノ酸 / トランスポーター / 腎 / 発現クローニング |
Research Abstract |
腎上皮組織は個体内外の間にバリアーを形成し体内循環を保護すると共に、選択的にイオン、水、アミノ酸などを極性を持って輸送し、吸収分泌を行っている。これらには、様々な機能蛋白が管腔側及び血管側の細胞膜の各ドメインに特異的に局在し、お互いが協力して小分子のベクトル輸送を行っている。このうちアミノ酸は数多くの輸送システムが存在し、シスチン尿症、リジン尿性蛋白不耐症、ハートナップ病、シスチノーシス、青いおむつ病など多くのアミノ酸輸送に関連した疾患の原因遺伝子解明が残されている。本研究においては未同定のハートナップ病原因遺伝子の解明及びアミノ酸のベクトル輸送を可能にする分子局在機構を解明し、頂上膜に欠損したアミノ酸輸送系を基底膜よりリクルートすることでアミノ酸のベクトル輸送を可能にする基礎実験を通してアミノ酸尿症の治療法を確立する。ハートナップ病が関与すると考えられているアミノ酸輸送系システムB^0の分子実体を明らかにする目的でラット小腸を用いて発現クローニングを行った。ラット小腸よりpoly(A)^+RNAを精製し、サイズ分画(80画分)を行った。各分画をプールしXenopus卵母細胞へ発現させ輸送系システムB^0の基質である中性アミノ酸の輸送活性を測定したところピーク活性が観察された(画分20-23)。この画分から発現プラスミドライブラリーを作製しXenopus卵母細胞に発現させアミノ酸の取り込みを指標とし14,000個のクローンをスクリーニングしたが高い輸送活性を示すcDNAプールは検出できなかった。我々は以前に補助因子を必要とするアミノ酸トランスポーターのファミリーの同定を行い、アミノ酸尿症の原因遺伝子解明を行った。アミノ酸輸送系システムB^0の分子も単独ではなく補助因子の必要性が考えられる。今後新たに補助因子と予想される各種蛋白質との共発現による発現クローニングを行う予定である。
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