2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症進展への腎尿細管塩類輸送体遺伝子発現異常の関与の検討
Project/Area Number |
13770609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
早川 洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70246437)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / NKCC2 / ENaC / TGF-β |
Research Abstract |
糖尿病自然発症モデルであるdb/dbマウス及びコントロールとしてのdb/mマウス16週齢の腎臓を摘出した後RNAを抽出。NKCC2のプライマーを作成し、定量した上記RNAをテンプレートとして半定量的なRT-PCRを行い糖尿病性腎症における尿細管での発現量の変化について検討した。コントロール群と比較してdb/dbマウス群でNKCC2 RNAの増加傾向を認めた。これに対し、NKCC2の発現増加が糖尿病性腎症の進展と実際に関連しているかについて確認する目的で、血糖は上昇しているが腎症には至らない7週齢のマウスを用いて実験を行ったところ、同様にdb/dbマウス群でのRNA量の増加が見られた。これは、当初想定していたTGF-βやhSGKの産生亢進による系ではなく、高血糖に基づく浸透圧の上昇や血糖の直接的な影響による変化の可能性も示している。このため、NKCC2のcompetitive RT-PCRやTGF-βの発現量の変化等の、さらに詳細な検討を加えている。他の塩類輸送体としてENaCのαサブユニットに対するプライマーを作成し、前述した手法を用いて実験を施行した。このpreliminaryな検討の結果もNKCC2に一致して糖尿病マウスにおいて発現増加傾向が見られている。また、16週だけでなく7週齢においても発現増加を認めており、こちらも現在実験を進めている。
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