2001 Fiscal Year Annual Research Report
COX2の尿細管糸球体フィードバック機構におよぼす影響
Project/Area Number |
13770611
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小川 哲也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90307504)
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Keywords | シクロキシギナーゼ2(COX2) / 尿細管糸球体フィードバック機構 / 腎微小循環 |
Research Abstract |
血管拡張、腎血流増加を有するプロスタグランジンE2(PGE2)産生の最初のカスケードに働くシクロキシギナーゼ2(COX2)は、尿細管糸球体フィードバック機構(TGF)を介して腎保護に働く可能性があるが明らかではない。腎不全状態においてNSAIDによりCOX2を抑制すると腎機能の急速な低下を認めることから、腎不全状態で特にCOX2の腎保護作用が増強している可能性が考えられる。本研究の目的は、腎不全状態においてCOX2が腎微小循環および、これを調節するTGFにどの程度関与しているかを検討することである。 本年度は、COX2の慢性腎不全での微小循環作用を調べるための慢性腎不全ラットを作成し、その腎微小循環作用を検討した。慢性腎不全ラットは、8%の高食塩飼育下のSDラットにNa-K ATP ase阻害薬であるウワバイン30μg/kg/dayを浸透圧ポンプにより皮下投与した。腎微小循環作用は、腎クリアランスと腎微小穿刺実験を施行した。腎微小循環は、人工尿細管液を用いて、40nl/minでヘンレ係蹄を順行性に微小灌流しつつ、同一ネフロンの近位尿細管起始部の液流量(EPFR)を測定した。係蹄非灌流時に対する灌流時のEPFRの減少率により尿細管糸球体フィードバック機構の反応性を評価した。高食塩下におけるウワバインの慢性投与では、vehicle群と比較して尿量、糸球体濾過値、ナトリウム排泄率は明らかに低値を示した。非灌流時のEPFRはウワバイン群、vehicle群でそれぞれ23.5%,22.5%と明らかな差を認めなかった。今後は、この慢性腎不全ラットを用いて、COX2の腎微小循環作用およびTGFに及ぼす影響を検討する。
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