2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・免疫反応における低温環境の影響に関する実験的検討
Project/Area Number |
13770674
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 元靖 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00296716)
|
Keywords | サイトカイン / 低温 / 体温 |
Research Abstract |
重症頭部外傷患者(68歳男性)に対し、36℃台の体温コントロールを行い頸静脈洞留置カテーテルを挿入。経静脈血と僥骨動脈血内のILー8濃度を経時的に測定した。(受傷後4,8,14,25,39,53時間)。経静脈血内濃度(pg/mlは(17.904,5.1674,3.5399,4.8566,測定感度以下、測定感度以下)、一方僥骨動脈血では(15.859,13.662,8.5196,7.271,5.931,測定感度以下)であった。受傷直後は両者で差はないが、侵襲の局在性を示唆するIL-8が経静脈血で受傷後8〜39時間まで高値を持続したことは、経静脈血IL-8、もしくは経静脈血濃度と僥骨動脈血濃度の差が、頭部外傷の侵襲の定量に役立つ可能性を示唆し、また、低体温療法によりこれが低下することが確認されれば、低体温療法の脳保護効果判定にも利用できる可能性があると考えられた。 また、健常者の血液にLPSを加え、37℃と32or34℃の環境下で4〜24時間全血培養した結果では、現在のところIL-8濃度に明らかな一定の傾向は認められないが、低温環境下のほうが、IL-8濃度のピークがやや遅れる傾向があった。ただし、個人差が大きくいでさら検体を追加し、検討する必要がある。ピークの濃度は予想と反し、低下している傾向は認められていないが、検体の追加、培養時間、測定時間の変更などにより、さらに知見が得られるものと考えられる。
|
Research Products
(1 results)