2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトNKT細胞の生体内分布と消化器疾患との関わりについての研究
Project/Area Number |
13770690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯合 恒夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (10323982)
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Keywords | NKT細胞 / NT細胞 / ヒト |
Research Abstract |
ヒトNKT細胞をNKマーカーであるCD161陽性T細胞と定義し,生体内での分布を調べた。十分に患者にインフォームドコンセントを行った後,我々が通常行っている手術の切除標本(肝,脾,小腸,大腸)や末梢血よりリンパ球を取り出し、抗CD3抗体と抗CD161抗体で2重染色しFACScanで解析した。ヒトNKT細胞はマウスと同じように肝に多く存在したが、マウスとは異なり腸管上皮にも多く存在していた。特に空腸上皮内に多く存在し,回腸,大腸の順であった。末梢血や脾には,肝,腸上皮に比し少量のNKT細胞しか存在していなかった。次に、各臓器ごとのNKT細胞が同じものかどうかを各種抗体を用いた3重染色をすることで明らかにした。どの臓器でも,CD161陽性T細胞はCD8陽性細胞が優位であり,CD4陽性細胞は少なかった。肝CD161陽性T細胞は,他のNKマーカーであるCD56を多く発現していたが,腸上皮CD161陽性T細胞のほとんどはCD56を発現していなかった。CD57やCD16の発現については,どの臓器のCD161陽性T細胞もほとんど同じであった。マウスNKT細胞はVα14を多く使用しているが,ヒトNKT細胞はそのホモログであるVα24をほとんど発現していなかった。これらの結果は,ヒトNKT細胞の生体内分布や性質はマウスNKT細胞と異なるものである可能性を示唆している。これらの結果は,現在論文投稿中である。
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