2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌患者管理における合理的サーベイランス法確立に関する研究
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13770694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池永 雅一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40332738)
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Keywords | 遺伝性非ポリポーシス大腸癌 / DNA複製エラー / マイクロサテライト不安定性 / 発癌高危険群 / 大腸癌 / 胃癌 / 消化器癌 / スクリーニング |
Research Abstract |
(目的) 消化器癌治療における治療成績の向上には、以下に効率よくスクリーニングを行えばよいかが問題であり、いわゆる発癌高危険群を的確に把握し、早期に診断・同定することが重要である。マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability : MSI)の解析を進めて、発癌高危険群の選別の可能性につき検討する。 (検討項目と結果) A.大腸腫瘍組織(癌または腺腫)、大腸正常粘膜組織におけるMSIを解析。 MSIの結果と大腸癌の臨床病理学的因子との検討を行った。具体的には手術時年齢、性別、発生部位、組織型、病期、多発癌、重複癌、家族歴の有無、遺伝性非ポリポーシス大腸癌の診断基準に合致する症例などの項目について行った。術後症例においては、その後の長期にさかのぼった病歴の聴取により、患者本人のみならず、家系構成員における病歴も検討することで、発癌高危険群の同定を行った。MSI陽性例では、陰性例に比べて多発癌、重複癌の頻度が多かった。また、家族歴聴取においてより多くの癌家族歴が発見された。消化器癌サーベイランスにおいて、特に大腸癌においては、MSIの解析が重要であると判明した。今後は、大腸癌のみならず胃癌、子宮体癌、腎泌尿器系癌についても検討を予定している。 B.抗癌剤感受性試験に関しては、5FU系薬剤を行っているがMSIの結果とも対比させ、予後の検討を行っている。今後は、感受性試験の構築をさらに進める予定であり、ひいてはサーベイランス法の確立につながる。
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