2001 Fiscal Year Annual Research Report
多発性肺腫瘍に対する腫瘍溶解療法-変異ヘルペスウイルスの経気管支的投与の検討-
Project/Area Number |
13770747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松平 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70297422)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 肺悪性腫瘍 / ICP34.5 / HSV-1716 / 経気管支投与 / EJ-62 |
Research Abstract |
本研究は変異単純ヘルペスウイルス(HSV-1716)の経気管支投与による抗腫瘍効果および安全性を多発性肺腫瘍マウスモデルを用いて検討するものである。 1. 多発性肺腫瘍マウスモデルの作成 BALB/CマウスにEJ-62細胞(1X10^5pfu)を経尾静脈的に投与し約2週間後にSacrificeして両側肺を摘出した。両側肺内には多発性腫瘤を認め病理組織学的に悪性腫瘍であることを確認した。 2. 変異単純ヘルペスウイルスの経気管支投与における安全性の確認 上記の担癌マウスを吸入麻酔下に主気管支を露出し留置針にて穿刺することによりHSV-1716を頭高位にて経気管支投与した。10pfuより段階的に10^9pfuまで増量したが明らかな毒性は確認できなかった。 3. HSV-1716経気管支投与における抗腫瘍効果の判定 数回のコントロール試験の結果、上記担癌マウスに4X10^6pfuのHSV-1716を経気管支的に投与した。投与14日後にSacrificeを行い両肺重量を未治療群と比較することで抗腫瘍効果を判定した。HSV-1716投与群では未治療群と比較して有意に摘出肺重量は小さく、多発性肺腫瘍に対してHSV-1716の経静脈的投与は有効である可能性が示唆された。また、マウスの全身状態は明らかに治療群において良好であった。標的臓器である肺以外の臓器(脳、脊髄、肝、腎、心臓、腸管、皮膚、眼球)も今後HSV-1716の体内での広がりを検索するために摘出保存した。
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