2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する樹状細胞を用いた免疫治療における腫瘍特異的免疫反応の解析
Project/Area Number |
13770762
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡本 禎一 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40324074)
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Keywords | 脳腫瘍 / 樹状細胞 / 免疫治療 / 細胞障害性Tリンパ球 / 頚部リンパ節 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)脳腫瘍に対する樹状細胞を用いた免疫治療における樹状細胞への最適な感作方法、2)樹状細胞およびTリンパ球の脳腫瘍患者生体内での動態、3)細胞障害性Tリンパ球の殺腫瘍機構(FAS系、TRAIL系、パーフォリン-グランザイム系)を解明することである。 1)および2)については、主に動物実験を行う計画であり、ラット脳腫瘍モデルにおける樹状細胞を用いた免疫治療の確立中である。ただし、我々が樹状細胞を用いた免疫治療を試行した患者から得られた臨床材料にて、免疫組織化学的手法を用い、腫瘍浸潤リンパ球、頚部リンパ節および鼠けい部リンパ節を検討した。特にCD8陽性Tリンパ球の動態は、脳腫瘍内と頚部リンパ節で類似し、腫瘍浸潤リンパ球は頚部リンパ節由来である可能性が示唆された。 3)については、樹状細胞を用いた免疫治療を施行の際に、^<51>Cr放出細胞障害性試験を行った。腫瘍細胞で感作された樹状細胞により刺激された患者Tリンパ球は、培養腫瘍細胞に対し、著明な殺腫瘍効果を示した。さらに、樹状細胞を用いた免疫治療前および治療後における腫瘍内浸潤CD8陽性Tリンパ球を検討したところ、腫瘍内浸潤CD8陽性Tリンパ球数は、樹状細胞治療後は治療前に比べ約30倍に増加していた。今後は、脳腫瘍および腫瘍浸潤リンパ球のFAS-Apo1、FASL、TRAIL、グランザイムBの発現を経時的、空間的に免疫組織化学、in situ hybridization、western blottingを用い検索し、細胞障害性Tリンパ球の殺腫瘍機構について検討する予定である。
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