2002 Fiscal Year Annual Research Report
肉腫組織・細胞の進展、転移における細胞外マトリックス分子の作用に関する研究
Project/Area Number |
13770790
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 佳弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (50332698)
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Keywords | ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸合成酵素 / 骨肉腫 / 抗腫瘍効果 / 競合的・定量的RT-PCR / アンタイセンス |
Research Abstract |
骨肉腫細胞株におけるヒアルロン酸合成酵素の制御による抗腫瘍効果 1)骨肉腫細胞株におけるヒアルロン酸合成酵素発現量解析 骨肉腫細胞株MG63とHOSを単層培養し、total RNAを抽出し、3種のヒアルロン酸合成酵素(HAS-1、HAS-2、HAS-3)のmRNA発現量を競合的、定量的RT-PCRにより算出した。HOSはいずれのHASの発現量も低値を示したが、MG63においてはHAS-2の発現量が有意に多く、ヒアルロン酸合成の中心的役割を担うことが示唆された。 2)MG63に対するアンタイセンスHAS-2投与によるヒアルロン酸合成の抑制 アンタイセンスHAS-2はMG63に対しておよそ60%のmRNA発現抑制効果を示した。それに伴い、MG63細胞周囲および細胞内に染色されるヒアルロン酸の濃度も低下した。またヒアルロン酸発現の低下と同様に細胞周囲マトリックス形成も抑制された。 3)MG-63に対するアンタイセンスHAS-2投与による抗腫瘍効果 炭層培養したMG-63に対してアンタイセンスHAS-2を投与すると細胞増殖能が低下した(MTT assay)。またマトリゲルを用いたinvasion assayにおいてもアンタイセンスHAS-2投与群は細胞浸潤能が低く、HAS-2の腫瘍増殖・浸潤における重要な役割が示唆された。 4)インフォームドコンセント 骨肉腫患者に対して、あらかじめ研究に関して説明し、内容について理解していただいた。 5)骨肉腫組織におけるHASの発現 生検時、手術時採取した骨肉腫組織を液体窒素にて急速凍結し、-80℃で保管した。この組織から常法通りtotal RNAを抽出し、それぞれの骨肉腫組織で発現するHASのmRNA量を競合的・定量的RT-PCRにより解析したところ個々の骨肉腫によってHASの発現パターンが異なっており、制御するべきHASは腫瘍ごとに異なることが推測された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideshi Sugiura, Mitsuru Takahashi, Hirohisa Katagiri, Yoshihiro Nishida, Hiroatsu Nakashima, Masahiro Yonekawa, Hisashi Iwata.: "Additional wide resection of malignant soft tissue tumors"Clin Orthop. 394. 201-210 (2002)
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[Publications] Yoshihiro Nishida, Cheryl B Knudson, Warren Knudson.: "Extracellular matrix recovery by human articular chondrocytes after treatment of hyaluronan hexasaccharides or Streptomyces hyaluronidase"Mod. Rheum.. (In press). (2002)
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[Publications] Hiroatsu Nakashima, Hirohisa Katagiri, Hideshi Sugiura, Masahiro Yonekawa, Yoshihiro Nishida, Yoshihisa Yamada: "Epithelioid sarcoma mimicking a primary osseous multifocal scapula lesion"Skeletal Rad. 31. 430-433 (2002)