2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脊椎椎間板変性に関わる遺伝子群のマクロアレイ法による網羅的探索
Project/Area Number |
13770814
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
藤田 拓也 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40293360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Keywords | 椎間板変性 / MMPs / アポトーシス |
Research Abstract |
手術時に採取したヒト変性椎間板を材料として検討中であるが、年齢、病態、変性の程度などにぱらつきが非常に多く、まだ一定の結果を得ていない。そこで同時並行して、ラットを用いて以下の実験を行ない、椎間板変性のメカニズムを解明している。 方法)Wisterラット25匹を用いた、透視下に第5,7尾椎の中心にそれぞれ直径0.8mmの鋼線を2本ずつ直交させて刺入し、鋼線間に4本のバネを設置することにより、持続的な圧迫力を第5/6,6/7尾椎椎間板に負荷させた。圧縮負荷は、0.2Mpa負荷したものをA群、0.4Mpa負荷したものをB群、鋼線を刺入しただけのものをsham群としそれらを一ヶ月間飼育した。途中脱落したものを省き、最終的にA群6匹、B群7匹、Sham群5匹となった。屠殺後に尾椎を摘出し、固定脱灰しパラフィン包埋後に、変性の程度を評価する目的でHEおよびAlu染色により椎間板細胞の形態、細胞数を計測した。次にTUNEL法によりアポトーシス細胞数を計数し、さらにMMP2,3,MT1-MMPに対するモノクローナル抗体を用いた免疫染色を行い、染色陽性細胞率を計算し、それら発現の局在について椎間板を髄核中心、髄核辺縁、繊維輪内層、繊維輪外層の4区画に分けて検討した。 結果および考察)光顕的観察にて、A群、B群共にsham群と比較し、髄核細胞数の減少、基質の減少などの変性所見が観察され、圧縮負荷が強いほどこれら変性所見が顕著であった。TUNEL陽性細胞は髄核中心部に認め、負荷依存性に増加していた。一方MMPsではMMP-2、MT1-MMPがsham群に比較し、髄核辺縁部において発現が亢進していた。しかしA、B群間に明らかな差は認められなかった。MMP-3はいずれの群においてもほとんど認められなかった。これらの結果より、椎間板変性にアポトーシスおよびMMP-2、MT1-MMPが関与していることが示唆された。
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